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文献詳細

雑誌文献

臨床検査58巻7号

2014年07月発行

文献概要

異常値をひもとく・19

血清Lp(a)が異常高値を示し,突然の不穏症状を示した症例

著者: 三宅紀子1 佐藤尚武2

所属機関: 1順天堂大学医学部附属練馬病院 臨床検査科 2順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センター

ページ範囲:P.871 - P.876

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はじめに

 異常検体が予期しない測定結果となることは珍しくない.溶血検体,乳び検体,高ビリルビン検体などは代表的なものであるため,これらの影響を排除した試薬が一般的である.しかし,異常蛋白であるM蛋白が測定系に影響する頻度は比較的低いため,これまで検査部で意識せずに測定結果を報告していた場合があるかもしれない.本稿に示した症例は異常値がいわゆるパニック値を示したため,M蛋白との関連性について検討する機会があった.ここで示したケースを含めM蛋白血症がさまざまな生化学検査において測定前・測定時に影響することを記憶にとどめておきたい.

参考文献

1)Loscalzo J:Lipoprotein(a). A unique risk factor for atherothrombotic disease. Arteriosclerosis 10:672-679,1990
2)Fujino A, Watanabe T, Kunii H, et al:Lipoprotein(a) is a potential coronary risk factor. Jpn Circ J 64:51-56,2000
3)Yang Y, Howanitz PJ, Howanitz JH, et al:Paraproteins are a common cause of interferences with automated chemistry methods. Arch Pathol Lab Med 132:217-223,2008
4)King RI, Florkowski CM:How paraproteins can affect laboratory assays: spurious results and biological effects. Pathology 42:397-401,2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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