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今月の特集2 てんかんと臨床検査のかかわり
脳磁図によるてんかん焦点の診断
著者: 湯本真人1
所属機関: 1東京大学大学院 医学系研究科内科学専攻病態診断医学講座
ページ範囲:P.1060 - P.1069
文献購入ページに移動●脳磁図(MEG)が記録する磁束密度は,脳波(EEG)が記録する電位と比べ生体による歪が少なく,てんかんの電気活動の局在を高空間分解能で捕らえることができる.
●MEGでは理論上みえない電源があり,深さにより感度は急速に低下するが,てんかんの診断上は大きな欠点にはなっていない.
●ルーチンのEEG検査のみではてんかん性突発波の検出が困難であり,MEGにより検出可能となる症例が約1割存在する.
●MEG,EEG単独では決定打に欠ける所見も,双方同時に記録し判読することで診断精度が高まる.
●MEGでは理論上みえない電源があり,深さにより感度は急速に低下するが,てんかんの診断上は大きな欠点にはなっていない.
●ルーチンのEEG検査のみではてんかん性突発波の検出が困難であり,MEGにより検出可能となる症例が約1割存在する.
●MEG,EEG単独では決定打に欠ける所見も,双方同時に記録し判読することで診断精度が高まる.
参考文献
1)Enatsu R, Mikuni N, Usui K, et al:Usefulness of MEG magnetometer for spike detection in patients with mesial temporal epileptic focus. Neuroimage 41:1206-1219,2008
2)Williamson SJ, Kaufman L:Analysis of neuromagnetic signals. In: Handbook of Electroencephalography and Clinical Neurophysiology, Revised Series, Vol. 1 (Gevins A, Remond A, ed), Elsevier, Amsterdam,pp405-448,1987
3)湯本真人:てんかんの検査(脳磁図).Clin Neurosci 26:59-61,2008
4)日本臨床神経生理学会脳磁図ガイドライン作成委員会:臨床脳磁図検査解析指針.臨神生 33:69-86,2005
5)Kakisaka Y, Iwasaki M, Alexopoulos AV, et al:Magnetoencephalography in fronto-parietal opercular epilepsy. Epilepsy Res 102:71-77,2012
6)Otsubo H, Chitoku S, Ochi A, et al:Malignant rolandic-sylvian epilepsy in children: diagnosis, treatment, and outcomes. Neurology 57:590-596,2001
7)金子裕:脳磁図.てんかんテキスト New Version(宇川義一,辻省次編),中山書店,pp125-133,2012
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