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雑誌目次

雑誌文献

臨床検査59巻1号

2015年01月発行

雑誌目次

今月の特集1 採血から分析前までのエッセンス

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山田 俊幸

pp.5

 年の初め,サンプリングについてじっくりおさらいしてみましょう.採血には3つのリスクがあります.1つは侵襲的行為による患者側のリスク.穿刺する静脈の部位の選択,使用する器材の選択についての知識が必要です.臨床検査部門が指導的な役割を果たす必要があります.2つ目は,採血者の感染リスクです.医療全体の針刺し事案に占める検査用採血の割合は小さいものですが,B型肝炎など感染成立率の高いものや未知の病原体の可能性を考えると気を緩めないようにしたいものです.3つ目は,検査データに対するリスク.いまだにクレンチングはやられているようです.データへの影響という点では,適切な採血管の使用と採血後の取り扱いも重要です.

患者に安全な採血

大西 宏明

pp.6-11

●安全な採血を行うためには,医療者は採血合併症について熟知し,できる限り予防法を講じるとともに,採血前に患者に採血合併症について可能な範囲で説明することが望ましい.

●神経損傷は最もトラブルとなりやすい合併症であり,予防のためには適切な血管の選択が重要となるが,翼状針の積極的な使用も有効である.

●血管迷走神経反応(VVR),皮下血腫,アレルギーなどの合併症の予防には,事前の問診が必須である.

採血手技における感染対策

笹原 鉄平

pp.12-17

●検査者は,医療従事者として必要なワクチンを接種しておくこと.

●採血手技の前後には,擦式アルコール製剤を用いた手指衛生を行う.

●採血の際には,手袋を必ず着用する.

●手袋を含めた採血手技に使用する用具を,患者ごとに全て交換する.

●針刺し切創・血液曝露が発生した場合には,速やかに自施設の担当者に届け出る.

データに影響する採血手技

小宮山 豊 , 吉賀 正亨

pp.20-25

●静脈採血の具体的指針は標準採血法ガイドラインに書かれている.

●採血用注射針は21〜23Gを使用する.25Gは溶血を招きやすい.

●こぶし握り動作繰り返しは血清K偽高値の誤差要因である.

●1分以内の駆血は通常の検査項目に影響しない.

●クエン酸Na採血管での採血量不足は,活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)に偽延長を招く.

●立位と臥位では,検査値に〜10%程度の差を生じさせる.

適切な真空採血管の取り扱い

野澤 麻希子

pp.27-34

●正しい検査結果を得るためには,検査項目に応じて適した採血管を選択し,採血後は血液と添加物が均一に混ざり合うように十分に転倒混和を行う.

●血液ガス検体採取用注射筒使用時は,血液採取後に速やかに測定を行う.プラスチックシリンジを使用する際は保存と運搬は室温で行う.測定までに時間を要する場合はガラスシリンジを使用し氷水中で保存する.

検査前サンプル取り扱いの標準化

関 顯

pp.35-41

●臨床検査における精度管理の考えは,検体採取から結果報告までの精度保証,さらに,品質マネジメントシステムの導入へと見直されている.

●検査のエラー(過失)は,検査前プロセスに多いことが明らかになっている.

●医療機関から検査依頼された検体を,遠隔施設で検査している衛生検査所へ搬送する際の手順の標準化など,検査が始まるまでの検査前プロセスの管理が重要である.

●文書化された手順を作成して検査前プロセスの作業を標準化する必要がある.

今月の特集2 新型インフルエンザへの対応—医療機関の新たな備え

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岩田 敏

pp.43

 新型インフルエンザの新たなる世界的流行が危惧される折,わが国では2013年に新型インフルエンザ等対策特別措置法が施行され,新型インフルエンザ等対策政府行動計画や対策のガイドラインなどが示されています.今後新型インフルエンザはどのような形で発生する可能性があるのか,新型インフルエンザが発生し,国内に侵入してきた場合,各医療機関はどのように対応したらよいのか,そのとき臨床検査室は臨床現場に対して何を提供できるのか.まだ記憶に新しい2009年のインフルエンザA(H1N1)pdmによるパンデミックの経験を踏まえ,私たちは新型インフルエンザに対する医療機関の備えについて,今考えておく必要があります.

新型インフルエンザとその対策

菅谷 憲夫

pp.44-48

●H1N1/09の抗原連続変異に警戒する必要がある.

●H1N1/09パンデミックを通じ,世界はノイラミニダーゼ(NA)阻害薬の重症化防止効果を確認した.

●H5N1のパンデミック可能性が低下している現状で,プレパンデミックワクチン備蓄には疑問がある.

●H7N9は中国内で流行が続き,パンデミックを起こす可能性がある.

新型インフルエンザ対策—地域における連携のあり方

賀来 満夫

pp.49-54

●新型インフルエンザはグローバル化・ボーダレス化が問題となる感染症である.

●新型インフルエンザ対策においては,トータルマネジメントが重要である.

●新型インフルエンザ対策においては,地域における連携協力・支援体制の構築が不可欠である.

●新型インフルエンザ感染拡大のリスクを最小限に抑えるには,ヒューマンネットワーク構築がキーとなる.

新型インフルエンザ対策—アウトブレイクへの対応

加來 浩器

pp.55-60

●アクティブ・サーベイランスにより症例致死率は低下した.

●海外発生期から国内発生早期の検疫業務強化には限界がある.

●新型インフルエンザのウイルス検知に次世代シーケンサーの期待が高まっている.

新型インフルエンザ対策—特別措置法施行と行動計画・ガイドライン策定を踏まえて

高城 亮

pp.61-66

●2009年の新型インフルエンザ(H1N1)の大流行を踏まえ,対策の実効性を確保するために各種対策の法的根拠が整備されてきた.

●危機管理の法律として「新型インフルエンザ等対策特別措置法」(2013年4月施行)が制定され,併せて発生段階に応じた総合的な対策を推進するために「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」が閣議決定(2013年6月)された.

●政府行動計画を踏まえ,各分野における対策の具体的な内容,実施方法および関係者の役割分担などがガイドラインとして関係省庁対策会議において決定されている.

●引き続き,関係者が情報を共有し,互いに連携協力していくことが大事である.

新型インフルエンザの施設内感染対策

石田 直

pp.67-72

●パンデミック対策として,日常より一般感染対策を行う.

●流行状況,患者背景から,抗インフルエンザウイルス薬の予防投与を検討する.

●各種検査法の特徴を理解し,結果を解釈する.

新型インフルエンザウイルスとワクチン 

庵原 俊昭

pp.73-78

●わが国ではA(H5N1)の出現を想定してプレパンデミックワクチンの備蓄が行われている.

●プレパンデミックワクチンの剤型は,アルミをアジュバントとして含む全粒子ワクチンである.

●2回の接種により免疫記憶が誘導され,追加接種により幅広い交叉免疫が誘導される.

●わが国では細胞培養由来のプロトタイプワクチンの開発が行われている.

今月の表紙

太陽に映える真っ赤なバラ(卵管采)

島田 達生

pp.4

 表紙の作者西永奨君は,作品を残して永眠された.衷心よりご冥福を祈ります.彼の本職は,デザイナーである.走査型電子顕微鏡(scanning electron microscope:SEM)を使った“ミクロの不思議な世界”に魅せられて,自宅に研究室を作り,動植物を含むあらゆるものを卓上小型走査型電子顕微鏡(TinySEM,テクネックス工房)で観察・撮影していた.得られた立体像は,白黒写真であるが,彼は,さらに立体感の増強と美のために色付けを行った.まさにファンタステックである.

Advanced Practice

問題編/解答・解説編

pp.26,86-87

「Advanced Practice」では,臨床検査を6分野に分け,各分野のスペシャリストの先生方から,実践的な問題を出題いただきます.

知識の整理や認定技師試験対策にお役立てください.

検査説明Q&A・1【新連載】

CA19-9の偽高値が疑われますが原因はどのようなものがありますか?

皆見 啓子

pp.80-81

■CA19-9とは

 CA(carbohydrate antigen)19-9は,ヒト結腸・直腸癌培養株をマウスに免疫し,得られたモノクローナル抗体が認識する糖鎖抗原である.Ⅰ型糖鎖を基本骨格とする血液型ルイスA糖鎖の末端にシアル酸が結合したものでシアリルLea抗原を認識する.このため,Lewis血液型Lea−b−の場合はたとえ癌があっても陰性となる.CA19-9は正常の成人や胎児の唾液腺・膵管・胆管・胆囊・胃粘膜・気管支・前立腺・結腸・直腸・子宮内膜などの上皮細胞表面に認められ,癌化に伴って産生が増加し血中に分泌される.膵癌,胆管癌,胆囊癌で80〜90%,胃癌,大腸癌で30〜50%の陽性率を示し,消化器系癌の腫瘍マーカーとして利用される.また,消化器系以外でも肺癌や卵巣癌,子宮体部癌でも陽性となるため,臓器特異性は低い.

遺伝医療ってなに?・1【新連載】

アンジェリーナに感謝

櫻井 晃洋

pp.82-83

今回から“遺伝医療”について,シリーズで原稿を書かせていただくことになった.言葉としては医療のなかに定着してきた感がある遺伝医療だが,そこでどのような医療が提供されているのかについては,一般市民はもとより医療関係者にもまだよく知られていない部分があるように思う.これからこの場をお借りして,筆者個人の視点から,遺伝医療というものを紹介していきたい.

 個人的にはあまりにタイミングがよすぎると思ったのだが,筆者が2013年4月に20年以上にわたって在籍していた信州大学を離れて札幌医科大学に着任した時期に前後して,遺伝医療に関係する大きなニュースがいくつか新聞やテレビをにぎわせた.1つ目は,2013年4月から国内で臨床研究として認定・登録施設において開始された,妊婦からの採血によって胎児の染色体の量的異常を調べる無侵襲的出生前遺伝学的検査(メディアは“新型出生前診断”という言い方をしている)であり,2つ目は米国女優のアンジェリーナ・ジョリーが遺伝性乳癌卵巣癌症候群の遺伝学的検査を受け,その結果に基づいて予防的乳房切除術を受けたという,同年5月14日のニューヨークタイムズの手記である.さらにはこの前後から,医療機関を介さずにインターネットなどを通じて遺伝子解析を行うビジネス,いわゆるDTC(direct-to-consumer)遺伝子検査が一気に広まりをみせたことも挙げておきたい.これらのテーマはただ報道されるだけでなく,その後特集(少なくともNHKスペシャルはこの3つを全部取り上げている)などが組まれていることからも社会の関心の高さがうかがえる.

元外科医のつぶやき・1【新連載】

外科勤務医から血液センターへ

中川 国利

pp.88

 1976年に大学を卒業し,以後38年間にわたり外科医として勤務してきた.初期研修医時代の4年間は「外科医たる者,頭から足までの全ての疾患に対応すべきだ」との薫陶を受け,消化器外科を中心に脳外科,心臓外科,呼吸器外科,整形外科,さらには婦人科や泌尿器科などの疾患まで手術を施行した.その後7年間は母校の外科学教室肝臓グループに属し,主に門脈圧亢進症や肝癌の診療に従事した.大学を離れてからは27年間にわたり仙台赤十字病院に勤務し,腹腔鏡下手術を中心に外科診療に携わってきた.健康に恵まれ,還暦を過ぎても数多くの手術を執刀し,さらにはささやかながらも臨床研究を行うことができ,充実した外科勤務医人生であったと思う.そのまま定年まで現役を続けるつもりでいたが,宮城県赤十字血液センター前所長の熱烈なる要請を受け,また外科医として血液には大変お世話になってきたこともあり,2014年4月血液センターに異動した.

INFORMATION

—日本臨床検査医学会・日本臨床検査同学院共催—平成27年(第102回)二級臨床検査士資格認定試験 試験案内 フリーアクセス

pp.89

 日本臨床検査医学会,日本臨床検査同学院共催のもとに日本臨床検査医学会制定の認定試験制度により,平成27年(第102回)資格認定試験を東日本・西日本において,下記のごとく実施する.受験者は希望科目を一つ選び申し込むこと.1年に1科目の受験.

平成27年(第37回)緊急臨床検査士資格認定試験 試験案内 フリーアクセス

pp.89

 日本臨床検査医学会,日本臨床検査同学院共催のもとに日本臨床検査医学会制定の認定試験制度により,平成27年(第37回)資格認定試験を東日本・西日本において,下記のごとく実施する.

—日本臨床検査医学会・日本遺伝子分析科学同学院 共催—平成27年(第9回初級・第4回一級)遺伝子分析科学認定士認定試験 試験案内 フリーアクセス

pp.89

 遺伝子分析科学認定士制度規則及び施行細則に基づき,平成27年遺伝子分析科学認定士認定試験を下記の要項で実施する.詳細は日本遺伝子分析科学同学院ホームページでご確認をお願い致します.

◆平成27年初級更新試験のお知らせ フリーアクセス

pp.89

 平成22年合格者(MA251〜328)の方は平成27年が更新年です.

 更新試験の詳細は日本遺伝子分析科学同学院ホームページでご確認をお願い致します.

資料

京都大学iPS細胞研究所(CiRA)における微生物検査室の構築

徳野 治

pp.90-94

 京都大学iPS細胞研究所(CiRA)の細胞調製施設(FiT)では,医療用iPS細胞および分化誘導細胞の製造に伴い,その安全性評価に必須な品質管理体制の整備が進められている.その一環として,細胞あるいは製造環境の汚染検査を担う微生物検査室の構築に携わったので,現況まで含めて紹介する.今後,再生医療用細胞プロセシング各施設で品質管理体制が整備されていくとともに,このような試験検査室が臨床検査技師の新たな活躍の場となっていくことも期待したい.

書評 薬の影響を考える 臨床検査値ハンドブック 第2版 フリーアクセス

前川 真人

pp.19

 近年,臨床検査はEBMにおける客観的な指標として,その重要性がますます高まってきている.国際臨床化学連合(IFCC)のホームページにも診療カルテにおける客観的な指標の94%を占め,臨床判断を行う上で60〜70%の影響力を持ち,診療ガイドラインの37%に関与していると記載されている.現在は検査依頼をすれば確実に客観的な結果が出てしまうため,その値が間違っていると(患者の病態を表していないと),患者診療にとって大きな誤判断につながってしまう危険性が高い.

 臨床検査値の異常は病態によるものばかりではない.分析前,分析,分析後に分けて考えると,分析前としては検体の取り方,前処理法,分析までの保存条件などによる影響がデータの異常につながることもあるし,分析過誤も,また分析後の結果の送信ミスなど,種々の検査にまつわる原因がありうる.また,患者の生理的変動や食事や運動などによる影響,そして病態にも関係するが治療による影響も考えておく必要がある.このうち,薬剤による影響は大きいと推察される.薬剤による影響のうち,人体への直接的な作用による結果として肝障害が生じるというのは病態とも言えるが,測定系への影響や薬剤中のコンタミなどは病態とは関係なく,検査診断を誤った方向に導く恐れのある注意すべきものである.

書評 誰も教えてくれなかった 乳腺エコー フリーアクセス

遠藤 登喜子

pp.79

乳房の超音波解剖を超音波特性と組織解剖の対比で解明した書

 乳腺超音波検査は近年,マンモグラフィ検診の普及により発見される異常の精密検査の必要性から,また,マンモグラフィ検診の精度補完のための手法として注目すべき変化を示してきた.しかし,本書にも書かれているが,超音波検査では視触診で検出された所見の裏付け検査法として,病変のみが検討されることがほとんどであった.それは,超音波検査が断層像として得られる画像情報であり,3次元的情報を記録・提供しがたい検査法であったことにもよっている.

 近年,腫瘤像を形成しない病変−非腫瘤性病変の診断の重要性が認識されることにより,正常乳腺から非腫瘤性病変を検出すること,病変と正常乳腺の鑑別など,正常乳腺像を意識することの重要性が脚光を浴びるようになってきた.従来も,正常乳腺の超音波画像を前に,“いったいこの画像は何を見ているのだろう”とつぶやくことはあったが,超音波画像が組織の何を反映しているか,明快なコンセンサスは得られないままであった.そして,超音波の屈折・反射・散乱(後方散乱)による画像特性と組織を対応させたとき,われわれの目は乳腺上皮のみならず,間質にも拡大された.組織学的構造という大きな枠組みの中,細胞と間質,両者の密度と配置が超音波画像を成り立たせている.これに気が付いたとき,超音波による乳房構造の解像は「目からうろこ」であった.

書評 —米国SWOGに学ぶ—がん臨床試験の実践 第2版(原書第3版) フリーアクセス

北川 雄光

pp.84-85

がん臨床試験における行動哲学を学ぶために必携の書

 SWOG(The Southwest Oncology Group)は,1956年に創設され,400以上の医療機関,のべ4,000人以上の医師が臨床試験に参加し,2,000を超える学術発表を行ってきた米国最大のがん臨床試験グループである.本書は,SWOGの統計家が臨床医に向けて発刊した臨床試験方法論の解説書の和訳書第2版であり,訳者は,国立がん研究センター多施設臨床試験支援センター長,福田治彦氏を代表とするJCOG(Japan Clinical Oncology Group)データセンターのメンバーで構成されている.JCOGは1978年に発足し,現在16研究グループ,約200の医療機関が参加するわが国最大のがん臨床試験グループである.したがって本書は,わが国最大のがん臨床試験グループJCOGが最も信頼を寄せ,同様の「哲学」を共有すると考えている米国SWOGの臨床試験方法論を渾身の力を込めて紹介した教科書であるといえよう.

 原書では,「conservativeな」行動哲学が一貫して貫かれている.この厳格なポリシーは訳者が序文で紹介しているように,「真にはよくないものをよいと誤って判断する偽陽性の誤りを小さくすることを優先する立場」であり,分子標的薬をはじめとする高額な薬剤が相次いで開発されるがん臨床試験の現場では極めて重要な哲学といえる.本書は単なる統計学的方法論の解説書ではなく,臨床試験を立案遂行する上でのまさに行動哲学を示した骨太の教科書となっている.この第2版(原書第3版)では,分子標的薬の試験デザインの特殊性などに関する新たな記述が加わり,臨床試験方法論は,時代の趨勢,要請に応えて刻々と進化するものであることを痛感させられる.

あとがき フリーアクセス

山内 一由

pp.98

 2014年は関東地方の記録的な大雪にはじまり,南木曽と広島の土砂災害,御嶽山の噴火と,まれにみるほど天災に見舞われた1年でした.また,耳を疑うようなニュースも例年になく多かったように思います.どことなく暗いムードで1年が終わろうとしているなかもたらされた日本人科学者3名のノーベル物理学賞受賞の朗報は,まさに青色LEDの発する光のごとく,一筋の光明をもたらしてくれました.LEDの特徴は何といっても寿命の長さです.迎える2015年はもちろんのこと,これからの未来を末長く照らし続けてほしいと,ついついLEDにすがりたくなってしまいます.

 さて,本号では「新型インフルエンザへの対応─医療機関の新たな備え」を特集しました.まさにこれからインフルエンザの流行がピークを迎えようとしているこの時期にふさわしいタイムリーなテーマです.インフルエンザに限らず,その他の感染症の予防にも通じるとても参考になる内容です.2014年は感染症の脅威にも脅かされた1年でもありました.閉鎖されていた代々木公園も再開され,ひとまずデング熱騒ぎは収まりましたが,蚊が活気付くころには,再び心配しなければいけなくなるのかもしれません.そして,今なお収まらないエボラ出血熱の感染拡大は極めて深刻な問題となっています.今後もまた別の感染症が突如として猛威を振るうことが大いにあり得ます.そんな時,肝心の医療機関が混乱していては,世のなかは大パニックに陥ってしまいます.2009年,新型インフルエンザが世界的に流行した際に,集中的な備蓄によりタミフルが不足して大混乱を招いたことは記憶に新しいところです.そのような事態を回避するためにも,医療関係者1人1人がしっかりとした知識を身に付け,いざという時に適切な対応がとれるようにしておく必要があります.

基本情報

臨床検査

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1367

印刷版ISSN 0485-1420

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バックナンバー

64巻12号(2020年12月発行)

今月の特集1 血栓止血学のトピックス—求められる検査の原点と進化
今月の特集2 臨床検査とIoT

64巻11号(2020年11月発行)

今月の特集1 基準範囲と臨床判断値を考える
今月の特集2 パニック値報告 私はこう考える

64巻10号(2020年10月発行)

増刊号 がんゲノム医療用語事典

64巻9号(2020年9月発行)

今月の特集1 やっぱり大事なCRP
今月の特集2 どうする?精度管理

64巻8号(2020年8月発行)

今月の特集1 AI医療の現状と課題
今月の特集2 IgG4関連疾患の理解と検査からのアプローチ

64巻7号(2020年7月発行)

今月の特集1 骨髄不全症の病態と検査
今月の特集2 薬剤耐性カンジダを考える

64巻6号(2020年6月発行)

今月の特集 超音波検査報告書の書き方—良い例,悪い例

64巻5号(2020年5月発行)

今月の特集1 中性脂肪の何が問題なのか
今月の特集2 EBLM(evidence based laboratory medicine)の新展開

64巻4号(2020年4月発行)

増刊号 これで万全!緊急を要するエコー所見

64巻3号(2020年3月発行)

今月の特集1 Clostridioides difficile感染症—近年の話題
今月の特集2 質量分析を利用した臨床検査

64巻2号(2020年2月発行)

今月の特集1 検査でわかる二次性高血圧
今月の特集2 標準採血法アップデート

64巻1号(2020年1月発行)

今月の特集1 免疫チェックポイント阻害薬—押さえるべき特徴と注意点
今月の特集2 生理検査—この所見を見逃すな!

63巻12号(2019年12月発行)

今月の特集1 糖尿病関連検査の動向
今月の特集2 高血圧の臨床—生理検査を中心に

63巻11号(2019年11月発行)

今月の特集1 腎臓を測る
今月の特集2 大規模自然災害後の感染症対策

63巻10号(2019年10月発行)

増刊号 維持・継続まで見据えた—ISO15189取得サポートブック

63巻9号(2019年9月発行)

今月の特集1 健診・人間ドックで指摘される悩ましい検査異常
今月の特集2 現代の非結核性抗酸菌症

63巻8号(2019年8月発行)

今月の特集 知っておきたい がんゲノム医療用語集

63巻7号(2019年7月発行)

今月の特集1 造血器腫瘍の遺伝子異常
今月の特集2 COPDを知る

63巻6号(2019年6月発行)

今月の特集1 生理検査における医療安全
今月の特集2 薬剤耐性菌のアウトブレイク対応—アナタが変える危機管理

63巻5号(2019年5月発行)

今月の特集1 現在のHIV感染症と臨床検査
今月の特集2 症例から学ぶフローサイトメトリー検査の読み方

63巻4号(2019年4月発行)

増刊号 検査項目と異常値からみた—緊急・重要疾患レッドページ

63巻3号(2019年3月発行)

今月の特集 血管エコー検査 まれな症例は一度みると忘れない

63巻2号(2019年2月発行)

今月の特集1 てんかんup to date
今月の特集2 災害現場で活かす臨床検査—大規模災害時の経験から

63巻1号(2019年1月発行)

今月の特集1 発症を予測する臨床検査—先制医療で5疾病に立ち向かう!
今月の特集2 薬の効果・副作用と検査値

62巻12号(2018年12月発行)

今月の特集1 海外帰りでも慌てない旅行者感染症
今月の特集2 最近の輸血・細胞移植をめぐって

62巻11号(2018年11月発行)

今月の特集1 循環癌細胞(CTC)とリキッドバイオプシー
今月の特集2 ACSを見逃さない!

62巻10号(2018年10月発行)

増刊号 感染症関連国際ガイドライン—近年のまとめ

62巻9号(2018年9月発行)

今月の特集1 DIC診断基準
今月の特集2 知っておきたい遺伝性不整脈

62巻8号(2018年8月発行)

今月の特集 女性のライフステージと臨床検査

62巻7号(2018年7月発行)

今月の特集1 尿検査の新たな潮流
今月の特集2 現場を変える!効果的な感染症検査報告

62巻6号(2018年6月発行)

今月の特集1 The Bone—骨疾患の病態と臨床検査
今月の特集2 筋疾患に迫る

62巻5号(2018年5月発行)

今月の特集1 肝線維化をcatch
今月の特集2 不妊・不育症医療の最前線

62巻4号(2018年4月発行)

増刊号 疾患・病態を理解する—尿沈渣レファレンスブック

62巻3号(2018年3月発行)

今月の特集1 症例から学ぶ血友病とvon Willebrand病
今月の特集2 成人先天性心疾患

62巻2号(2018年2月発行)

今月の特集1 Stroke—脳卒中を診る
今月の特集2 実は増えている“梅毒”

62巻1号(2018年1月発行)

今月の特集1 知っておきたい感染症関連診療ガイドラインのエッセンス
今月の特集2 心腎連関を理解する

60巻13号(2016年12月発行)

今月の特集1 認知症待ったなし!
今月の特集2 がん分子標的治療にかかわる臨床検査・遺伝子検査

60巻12号(2016年11月発行)

今月の特集1 血液学検査を支える標準化
今月の特集2 脂質検査の盲点

60巻11号(2016年10月発行)

増刊号 心電図が臨床につながる本。

60巻10号(2016年10月発行)

今月の特集1 血球貪食症候群を知る
今月の特集2 感染症の迅速診断—POCTの可能性を探る

60巻9号(2016年9月発行)

今月の特集1 睡眠障害と臨床検査
今月の特集2 臨床検査領域における次世代データ解析—ビッグデータ解析を視野に入れて

60巻8号(2016年8月発行)

今月の特集1 好塩基球の謎に迫る
今月の特集2 キャリアデザイン

60巻7号(2016年7月発行)

今月の特集1 The SLE
今月の特集2 百日咳,いま知っておきたいこと

60巻6号(2016年6月発行)

今月の特集1 もっと知りたい! 川崎病
今月の特集2 CKDの臨床検査と腎病理診断

60巻5号(2016年5月発行)

今月の特集1 体腔液の臨床検査
今月の特集2 感度を磨く—検査性能の追求

60巻4号(2016年4月発行)

今月の特集1 血漿蛋白—その病態と検査
今月の特集2 感染症診断に使われるバイオマーカー—その臨床的意義とは?

60巻3号(2016年3月発行)

今月の特集1 日常検査からみえる病態—心電図検査編
今月の特集2 smartに実践する検体採取

60巻2号(2016年2月発行)

今月の特集1 深く知ろう! 血栓止血検査
今月の特集2 実践に役立つ呼吸機能検査の測定手技

60巻1号(2016年1月発行)

今月の特集1 社会に貢献する臨床検査
今月の特集2 グローバル化時代の耐性菌感染症

59巻13号(2015年12月発行)

今月の特集1 移植医療を支える臨床検査
今月の特集2 検査室が育てる研修医

59巻12号(2015年11月発行)

今月の特集1 ウイルス性肝炎をまとめて学ぶ
今月の特集2 腹部超音波を極める

59巻11号(2015年10月発行)

増刊号 ひとりでも困らない! 検査当直イエローページ

59巻10号(2015年10月発行)

今月の特集1 見逃してはならない寄生虫疾患
今月の特集2 MDS/MPNを知ろう

59巻9号(2015年9月発行)

今月の特集1 乳腺の臨床を支える超音波検査
今月の特集2 臨地実習で学生に何を与えることができるか

59巻8号(2015年8月発行)

今月の特集1 臨床検査の視点から科学する老化
今月の特集2 感染症サーベイランスの実際

59巻7号(2015年7月発行)

今月の特集1 検査と臨床のコラボで理解する腫瘍マーカー
今月の特集2 血液細胞形態判読の極意

59巻6号(2015年6月発行)

今月の特集1 日常検査としての心エコー
今月の特集2 健診・人間ドックと臨床検査

59巻5号(2015年5月発行)

今月の特集1 1滴で捉える病態
今月の特集2 乳癌病理診断の進歩

59巻4号(2015年4月発行)

今月の特集1 奥の深い高尿酸血症
今月の特集2 感染制御と連携—検査部門はどのようにかかわっていくべきか

59巻3号(2015年3月発行)

今月の特集1 検査システムの更新に備える
今月の特集2 夜勤で必要な輸血の知識

59巻2号(2015年2月発行)

今月の特集1 動脈硬化症の最先端
今月の特集2 血算値判読の極意

59巻1号(2015年1月発行)

今月の特集1 採血から分析前までのエッセンス
今月の特集2 新型インフルエンザへの対応—医療機関の新たな備え

58巻13号(2014年12月発行)

今月の特集1 検査でわかる!M蛋白血症と多発性骨髄腫
今月の特集2 とても怖い心臓病ACSの診断と治療

58巻12号(2014年11月発行)

今月の特集1 甲状腺疾患診断NOW
今月の特集2 ブラックボックス化からの脱却—臨床検査の可視化

58巻11号(2014年10月発行)

増刊号 微生物検査 イエローページ

58巻10号(2014年10月発行)

今月の特集1 血液培養検査を感染症診療に役立てる
今月の特集2 尿沈渣検査の新たな付加価値

58巻9号(2014年9月発行)

今月の特集1 関節リウマチ診療の変化に対応する
今月の特集2 てんかんと臨床検査のかかわり

58巻8号(2014年8月発行)

今月の特集1 個別化医療を担う―コンパニオン診断
今月の特集2 血栓症時代の検査

58巻7号(2014年7月発行)

今月の特集1 電解質,酸塩基平衡検査を苦手にしない
今月の特集2 夏に知っておきたい細菌性胃腸炎

58巻6号(2014年6月発行)

今月の特集1 液状化検体細胞診(LBC)にはどんなメリットがあるか
今月の特集2 生理機能検査からみえる糖尿病合併症

58巻5号(2014年5月発行)

今月の特集1 最新の輸血検査
今月の特集2 改めて,精度管理を考える

58巻4号(2014年4月発行)

今月の特集1 検査室間連携が高める臨床検査の付加価値
今月の特集2 話題の感染症2014

58巻3号(2014年3月発行)

今月の特集1 検査で切り込む溶血性貧血
今月の特集2 知っておくべき睡眠呼吸障害のあれこれ

58巻2号(2014年2月発行)

今月の特集1 JSCC勧告法は磐石か?―課題と展望
今月の特集2 Ⅰ型アレルギーを究める

58巻1号(2014年1月発行)

今月の特集1 診療ガイドラインに活用される臨床検査
今月の特集2 深在性真菌症を学ぶ

57巻13号(2013年12月発行)

今月の特集1 病理組織・細胞診検査の精度管理
今月の特集2 目でみる悪性リンパ腫の骨髄病変

57巻12号(2013年11月発行)

今月の特集1 前立腺癌マーカー
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査②

57巻11号(2013年10月発行)

特集 はじめよう,検査説明

57巻10号(2013年10月発行)

今月の特集1 神経領域の生理機能検査の現状と新たな展開
今月の特集2 Clostridium difficile感染症

57巻9号(2013年9月発行)

今月の特集1 肺癌診断update
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査①

57巻8号(2013年8月発行)

今月の特集1 特定健診項目の標準化と今後の展開
今月の特集2 輸血関連副作用

57巻7号(2013年7月発行)

今月の特集1 遺伝子関連検査の標準化に向けて
今月の特集2 感染症と発癌

57巻6号(2013年6月発行)

今月の特集1 尿バイオマーカー
今月の特集2 連続モニタリング検査

57巻5号(2013年5月発行)

今月の特集1 実践EBLM―検査値を活かす
今月の特集2 ADAMTS13と臨床検査

57巻4号(2013年4月発行)

今月の特集1 次世代の微生物検査
今月の特集2 非アルコール性脂肪性肝疾患

57巻3号(2013年3月発行)

今月の特集1 分子病理診断の進歩
今月の特集2 血管炎症候群

57巻2号(2013年2月発行)

今月の主題1 血管超音波検査
今月の主題2 血液形態検査の標準化

57巻1号(2013年1月発行)

今月の主題1 臨床検査の展望
今月の主題2 ウイルス性胃腸炎

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