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検査レポート作成指南・2
呼吸機能検査編
著者: 鈴木範孝1
所属機関: 1総合病院国保旭中央病院診療技術部中央検査科
ページ範囲:P.1004 - P.1016
文献購入ページに移動 呼吸機能検査はかつて,データ解析に精通し,習熟した医師自らが患者の呼吸状態の把握のために実施し,報告書も作成していた時代があった.しかし,現在においては,ほとんどの施設で呼吸機能検査に習熟した臨床検査技師が実施している.
呼吸機能検査は,始業点検と各種センサーの精度管理,患者情報の収集と依頼情報の把握が最初のステップとなる.そして,適切な患者1人1人に合わせた誘導技術によって描出される波形情報とアーチファクトの検出など,さまざまな過程によって構成される.その最終的な行程が報告書の作成となる.本来,呼吸機能検査の判読に関しては,依頼した医師が記録された波形情報や数値情報をしっかり吟味した後,総合的な判断を下すべきである.しかし,現在では全ての医師が呼吸機能に精通しているわけでもなく,画像所見の読み方や自動呼吸機能検査装置から算出される多変量のデータについて十分に理解しているとは限らない.また,呼吸機能や画像判読に詳しい専門医であっても,日々の業務に追われて,呼吸機能検査の詳しい解析に時間を作るのが難しい現状がある.そこで,それらを補うのが,呼吸機能検査を熟知し実際に検査を担当した技師が作成する報告書である.
呼吸機能検査は,始業点検と各種センサーの精度管理,患者情報の収集と依頼情報の把握が最初のステップとなる.そして,適切な患者1人1人に合わせた誘導技術によって描出される波形情報とアーチファクトの検出など,さまざまな過程によって構成される.その最終的な行程が報告書の作成となる.本来,呼吸機能検査の判読に関しては,依頼した医師が記録された波形情報や数値情報をしっかり吟味した後,総合的な判断を下すべきである.しかし,現在では全ての医師が呼吸機能に精通しているわけでもなく,画像所見の読み方や自動呼吸機能検査装置から算出される多変量のデータについて十分に理解しているとは限らない.また,呼吸機能や画像判読に詳しい専門医であっても,日々の業務に追われて,呼吸機能検査の詳しい解析に時間を作るのが難しい現状がある.そこで,それらを補うのが,呼吸機能検査を熟知し実際に検査を担当した技師が作成する報告書である.
参考文献
1)鈴木範孝:フローボリューム曲線【前編】基礎理論と臨床的意義.検と技 40:792-797,2012
2)鈴木範孝:新版 フローボリューム・カーブの理論と使い方─フローボリュームがわかると呼吸機能はおもしろい.真興交易医書出版部,2013
3)日本呼吸器学会肺生理専門委員会(編):呼吸機能検査ガイドライン─スパイロメトリー,フローボリューム曲線,肺拡散能力,メディカルレビュー社,2004
4)日本呼吸器学会肺生理専門委員会:日本人のスパイログラムと動脈血ガス分圧基準値.日呼吸会誌 39:383-399,2001
5)滝島任,佐々木孝夫:Flow-volume曲線,呼と循 19:327-330,1971
6)大杉隆史,外村舜治,古林栄太郎,他:Flow-volume曲線の新しいindexに関する一試案.日胸臨 37:956-962,1978
7)気流閉塞.呼吸の病態生理(Kryger MH編,白石透監訳),西村書店,p38,1986
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