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文献詳細

雑誌文献

臨床検査59巻10号

2015年10月発行

文献概要

検査説明Q&A・10

大動脈狭窄症の重症度を心エコー図検査で評価したいと思います.各報告値が乖離していた場合,どのような評価法を考慮すべきでしょうか?

著者: 徳田華子1 村田光繁12

所属機関: 1慶應義塾大学医学部循環器内科 2慶應義塾大学医学部臨床検査医学

ページ範囲:P.1020 - P.1023

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■大動脈弁狭窄症の重症度評価

 心エコー図では,大動脈弁狭窄症(aortic stenosis:AS)の重症度を連続波ドプラ法による最高血流速度,簡易ベルヌーイ式による平均圧較差,弁口面積などによって評価する.わが国の「弁膜疾患の非薬物治療に関するガイドライン」1)では欧米に倣って,最高血流速度4.0m/s以上,

平均圧較差40mmHg以上,弁口面積1.0cm2以下を重症ASとしている.ただし,測定した弁口面積が1.0cm2を超えている場合でも,体表面積で補正した弁口面積係数が0.6cm2/m2以下である場合は重症とする1)

 最近では,左室流出路と大動脈弁部の時間速度積分値(velocity time integral:VTI)の比(VTI ratio=左室流出路のVTI/大動脈弁のVTI)が0.25以下も重症ASの指標とされている.

参考文献

1)日本循環器学会,日本胸部外科学会,日本心臓血管外科学会,他:循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2011年度合同研究班報告) 弁膜疾患の非薬物治療に関するガイドライン(2012年改訂版),pp10-17,2012(http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2012_ookita_h.pdf)
2)吉川純一:大動脈弁狭窄.臨床エコー図学 第2版,pp146-150,2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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