icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査59巻13号

2015年12月発行

文献概要

今月の特集1 移植医療を支える臨床検査

同種造血幹細胞移植と臨床検査

著者: 外山高朗1 岡本真一郎1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部血液内科

ページ範囲:P.1476 - P.1483

文献購入ページに移動
Point

●同種造血幹細胞移植の目的は,移植前に行われる全身放射線照射や大量化学療法に加えて,ドナー免疫によって腫瘍細胞を根絶し,正常な造血機能を回復することである.

●造血幹細胞移植には,自家/同種,骨髄/末梢血幹細胞/臍帯血といった種類があり,疾患や患者の状態によっていずれの方法を用いるかが決定される.

●同種移植では,ドナー造血幹細胞の生着/拒絶の確認のため,XY-FISH法やSTR-PCR法を用いたキメリズム解析が重要な役割を果たしている.

●造血器腫瘍を対象とした移植では微小残存病変(MRD)をモニタリングすることが重要であり,PCR法によるキメラ遺伝子の定量検査が広く用いられている.

参考文献

1)Thomas ED, Lochte HL Jr, Lu WC, et al:Intravenous infusion of bone marrow in patients receiving radiation and chemotherapy. N Engl J Med 257:491-496,1957
2)日本造血細胞移植データセンター/日本造血細胞移植学会:日本における造血細胞移植.平成26年度 全国調査報告書,2014(http://www.jdchct.or.jp/data/report/2014/)
3)松田和之:移植後生着確認に利用されるキメリズム検査.検と技 43:768-773,2015

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?