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今月の特集1 移植医療を支える臨床検査
肝移植と臨床検査
著者: 石崎陽一1 川崎誠治1
所属機関: 1順天堂大学医学部肝胆膵外科
ページ範囲:P.1490 - P.1497
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●欧米では,肝移植の大半は脳死肝移植(CDLT)である.一方,わが国ではほとんどが生体肝移植(LDLT)であるため,脳死ドナーからの臓器提供を増加させることが今後の課題である.
●CDLTは全肝移植のため肝容積は十分であるが,LDLTでは術前のヴォリューメトリーによりグラフト肝容積(GV)を予想し,標準肝容積(SV)との比によって手術適応を決定する.
●移植後の肝動脈血栓症,門脈血栓症,肝静脈狭窄などの血管系合併症の診断にはドプラ超音波検査が有用である.
●移植後は拒絶反応を防ぐために免疫抑制薬を使用するので,移植時期に応じた適切な免疫抑制薬のモニターが重要である.
●移植後早期は高度の免疫抑制状態にあるため,周術期においては感染症に関して十分な注意が必要である.
●欧米では,肝移植の大半は脳死肝移植(CDLT)である.一方,わが国ではほとんどが生体肝移植(LDLT)であるため,脳死ドナーからの臓器提供を増加させることが今後の課題である.
●CDLTは全肝移植のため肝容積は十分であるが,LDLTでは術前のヴォリューメトリーによりグラフト肝容積(GV)を予想し,標準肝容積(SV)との比によって手術適応を決定する.
●移植後の肝動脈血栓症,門脈血栓症,肝静脈狭窄などの血管系合併症の診断にはドプラ超音波検査が有用である.
●移植後は拒絶反応を防ぐために免疫抑制薬を使用するので,移植時期に応じた適切な免疫抑制薬のモニターが重要である.
●移植後早期は高度の免疫抑制状態にあるため,周術期においては感染症に関して十分な注意が必要である.
参考文献
1)United Network for Organ Sharing(https://www.unos.org)
2)日本肝移植研究会:肝移植症例登録報告(第一報).移植 48:362-368,2013
3)石崎陽一,川崎誠治:生体肝移植.消化器疾患最新の治療2011-2012(菅野健太郎,上西紀夫,井廻道夫編),南江堂,pp359-362,2011
4)江川裕人,宮川文, 羽賀博典,他:血液型適合肝移植における抗ドナー特異抗体の意義.移植 45巻:473-480,2010
5)Urata K, Kawasaki S, Matsunami H, et al:Calculation of child and adult standard liver volume for liver transplantation. Hepatology 21:1317-1321,1995
6)石崎陽一,川崎誠治:生体肝移植 わが国における現状と展望.臨床内科 28:1241-1248,2013
7)石崎陽一,川崎誠治:移植後の管理.専門医のための消化器病学 第2版(小俣政男,千葉勉監修,下瀬川徹,渡辺守,木下芳一,他編),医学書院,pp474-476,2013
8)平松直樹,小瀬嗣子,竹原徹郎:肝臓 C型肝炎治療の新展開.Annu Rev消化器 2015:63-73,2015
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