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文献詳細

雑誌文献

臨床検査59巻13号

2015年12月発行

文献概要

検査説明Q&A・12

尿沈渣と尿潜血反応の結果が乖離していますが(沈渣赤血球増加・尿潜血陰性,沈渣赤血球正常・尿潜血陽性),どのようなことが考えられますか?

著者: 田中真弓1

所属機関: 1慶應義塾大学病院中央臨床検査部

ページ範囲:P.1551 - P.1553

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■尿潜血検査

 尿潜血検査は主に血尿のスクリーニングとして行われる.尿中赤血球由来のヘモグロビンを化学的に検出するため,その測定原理から血尿,ヘモグロビン尿,ミオグロビン尿で陽性となる.

■尿潜血試験紙反応の測定原理

 尿潜血試験紙の測定原理は,ヘモグロビンのペルオキシダーゼ(peroxidase:POD)様活性を用いている(図1)1).尿試験紙には過酸化物と色原体が含まれており,試薬の過酸化物は尿ヘモグロビン鉄のPOD様活性によって活性酸素を遊離する.この活性酸素によって無色の還元型色原体が酸化され,青色の酸化型色原体となる.試薬組成は各試験紙メーカーによって異なり,黄色系色素をベースに使用しているものは緑色の呈色変化となる.

参考文献

1)伊藤機一,野崎司:一般検査(尿・髄液・糞便検査を含む) 尿検査 概論 試験紙法による尿定性・半定量検査.日臨 67(増刊8):55-92,2009
2)血尿診断ガイドライン編集委員会:血尿診断ガイドライン2013,ライフサイエンス出版,2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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