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今月の特集2 乳癌病理診断の進歩
乳腺穿刺吸引細胞診の進歩と精度管理
著者: 北村隆司1 土屋眞一23
所属機関: 1昭和大学横浜市北部病院 臨床病理検査室 2社会医療法人栗山会飯田病院 病理診断科 3日本医科大学付属病院 病理部
ページ範囲:P.436 - P.443
文献購入ページに移動●小型で細胞異型に乏しい乳癌細胞がみられる非浸潤性乳管癌,乳頭腺管癌,硬癌,浸潤性小葉癌に言及して,それらを診断するうえで理解しておかなければならない所見の見方・考え方を中心に解説した.
●小型乳癌細胞を診断するうえで重要な点は,背景を含む標本全体の所見と出現する細胞の細胞異型および集塊の構造であり,それらを総合的に判断して最終診断する必要がある.
●乳腺穿刺細胞診検査には施設間差がみられ,その“正確さ”と“精密さ”を完全に担保・保証する精度管理は不可能である.このため,日本臨床細胞学会「乳腺穿刺吸引細胞診の精度に関するワーキンググループ」では,各判定区分での悪性の危険度を示した.今後はこの点について広く臨床医等に理解してもらう必要がある.
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