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文献詳細

雑誌文献

臨床検査59巻5号

2015年05月発行

文献概要

検査説明Q&A・5

心エコー報告書に右房内に遺残弁ありと記載がありました.臨床上問題になることはありますか?また,エコーではどのように描出されますか?

著者: 西智子1 柴山謙太郎1 渡辺弘之1

所属機関: 1東京ベイ・浦安市川医療センター ハートセンター循環器内科

ページ範囲:P.481 - P.483

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■右房内の遺残弁

 右房内に認められる遺残弁とは,胎生期の遺残構造物である静脈洞弁を指す.静脈洞弁のうち,下大静脈開口部付近に付着するものをユースタキオ弁(eustachian valve),冠静脈洞開口部付近に付着するものをテベシウス弁(thebesian valve)という(図1).また,下大静脈付近に付着し,右房内で大きく浮遊する膜様構造物を認めることがあり,これはキアリ網(Chiari network)といわれる.キアリ網は静脈洞弁に多数の穴が開いて網状になったものであり,1897年にChiariにより発見され,かつては剖検や心臓手術の際に偶発的に発見されていた.2%程度の頻度で認められ1),心窩部アプローチや,四腔像,短軸像(大動脈弁レベル)で右房を描出する際に確認される.

参考文献

1)Schneider B, Hofmann T, Justen MH, et al:Chiari’s network: normal anatomic variant or risk factor for arterial embolic events? J Am Coll Cardiol 26:203-210,1995
2)Gussenhoven WJ, Essed CE, Bos E:Persistent right sinus venosus valve. Br Heart J 47:183-185,1982

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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