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文献概要
検査説明Q&A・5
心エコー報告書に右房内に遺残弁ありと記載がありました.臨床上問題になることはありますか?また,エコーではどのように描出されますか?
著者: 西智子1 柴山謙太郎1 渡辺弘之1
所属機関: 1東京ベイ・浦安市川医療センター ハートセンター循環器内科
ページ範囲:P.481 - P.483
右房内に認められる遺残弁とは,胎生期の遺残構造物である静脈洞弁を指す.静脈洞弁のうち,下大静脈開口部付近に付着するものをユースタキオ弁(eustachian valve),冠静脈洞開口部付近に付着するものをテベシウス弁(thebesian valve)という(図1).また,下大静脈付近に付着し,右房内で大きく浮遊する膜様構造物を認めることがあり,これはキアリ網(Chiari network)といわれる.キアリ網は静脈洞弁に多数の穴が開いて網状になったものであり,1897年にChiariにより発見され,かつては剖検や心臓手術の際に偶発的に発見されていた.2%程度の頻度で認められ1),心窩部アプローチや,四腔像,短軸像(大動脈弁レベル)で右房を描出する際に確認される.
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