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今月の表紙
腹水に生息するマリモ(癌細胞)
著者: 島田達生12
所属機関: 1大分大学 2大分医学技術専門学校
ページ範囲:P.494 - P.494
文献購入ページに移動しかし,写真の細胞を見ても,心が癒やされることはなく,むしろ怒りを感じる.これは,腹水中の大腸癌細胞である.細胞表面から短い微絨毛が派生し,極めて活動的であることを示唆している.胃や大腸の癌細胞が漿膜を破り,腹膜腔に溺れ落ち,腹膜に付着し,細胞分裂を繰り返し,癌細胞塊を造る.このような状態が種をまいたように見えるので,腹膜播種といわれる.腹水を遠心分離すると,たくさんの癌細胞が存在することがある.これが癌性腹水.
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