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今月の特集2 血液細胞形態判読の極意
急性白血病を正しく診断するためのポイント
著者: 宮地勇人1
所属機関: 1東海大学医学部基盤診療学系臨床検査学
ページ範囲:P.697 - P.704
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●急性白血病は,世界保健機関(WHO)分類において,正確な形態診断が最終的な病型診断に大きく影響する.
●急性白血病の正確な形態診断には,標準化された細胞判定と,精度管理された細胞分類が重要である.
●急性骨髄性白血病(AML)の形態に基づく診断において,異常幼若細胞(芽球,前骨髄球,異常前単球)の判定と細胞異形成の定量的評価を正確に行う.
●染色体・遺伝子異常に基づく病型に結び付く特徴的な細胞所見に着目する.
●病型の確定は,形態診断とともに,治療経過,基礎疾患など背景を踏まえて,細胞表面マーカー検査,染色体・遺伝子検査の所見を総合し,診断アルゴリズムに従って行う.
●急性白血病は,世界保健機関(WHO)分類において,正確な形態診断が最終的な病型診断に大きく影響する.
●急性白血病の正確な形態診断には,標準化された細胞判定と,精度管理された細胞分類が重要である.
●急性骨髄性白血病(AML)の形態に基づく診断において,異常幼若細胞(芽球,前骨髄球,異常前単球)の判定と細胞異形成の定量的評価を正確に行う.
●染色体・遺伝子異常に基づく病型に結び付く特徴的な細胞所見に着目する.
●病型の確定は,形態診断とともに,治療経過,基礎疾患など背景を踏まえて,細胞表面マーカー検査,染色体・遺伝子検査の所見を総合し,診断アルゴリズムに従って行う.
参考文献
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3)清井仁,直江知樹:急性骨髄性白血病および関連前駆細胞性腫瘍.WHO分類第4版による白血病・リンパ系腫瘍の病態学(押見和夫監修,木崎昌弘,田丸淳一編),中外医学社,pp105-151,2009
4)宮地勇人:造血器疾患の診断精度向上に向けた検査情報連携.臨検 58:427-435,2014
5)松下弘道,浅井さとみ,矢部みはる,他:検査の領域間連携と知識集約型サービス 検体検査編 造血器腫瘍の新WHO分類と血液総合診断.臨病理 59:65-74,2011
6)宮地勇人,浅井さとみ,松下弘道:付加価値のある骨髄像の文書報告と運用効果.Lab Clin Pract 31:22-29,2013
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10)宮地勇人:認定血液検査技師制度の現状と展望 骨髄検査士認定制度の設置に向けて.日検血会誌 11:422-426,2010
11)宮地勇人:認定資格取得(認定血液検査技師・骨髄検査技師)に対する教育システム.日検血会誌 14:388-393,2014
12)日本検査血液学会標準化委員会:血液形態検査標準化小委員会(http://www.jslh-sc.com)
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