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元外科医のつぶやき・7
職場における寝食
著者: 中川国利1
所属機関: 1宮城県赤十字血液センター
ページ範囲:P.709 - P.709
文献購入ページに移動 病院には当直として泊まることもあるが,ほかの理由で宿泊することもある.病院勤務時代の自主的病院宿泊を紹介する.
私の研修医時代は現在のような研修医制度がなく,給金はすずめの涙で,アパートを借りるお金もなかった.そこで研修医はアパートを3人で借りたり,病院の屋上に通じる踊り場をベニヤ板で囲って住んだりしていた.私は外科医局に簡易ベッドをもち込み,スイートスペースとした.プライバシーは全くなかったが,唯一の利点として,医局のドアの開閉によって臨時手術に必ずあり付くことができた.食事は,研修医仲間とたまに外食することもあったが,普段は職員食堂で深夜に1人で冷えた御飯を食べたものである.現在では電子レンジで容易に温めることができ,隔世の感がする.しかし,当時は若いこともあり,苦にはならなかった.逆に現在では,若い時代に逆境を経験する大切さを感じている.大学に勤務していたころは,重症患者を抱えると,家にも帰らずに医局のソファで仮眠を取り,外来の診察台で夜を過ごしたこともある.それでも若いため,特に眠れずに疲労困憊した覚えはない.
私の研修医時代は現在のような研修医制度がなく,給金はすずめの涙で,アパートを借りるお金もなかった.そこで研修医はアパートを3人で借りたり,病院の屋上に通じる踊り場をベニヤ板で囲って住んだりしていた.私は外科医局に簡易ベッドをもち込み,スイートスペースとした.プライバシーは全くなかったが,唯一の利点として,医局のドアの開閉によって臨時手術に必ずあり付くことができた.食事は,研修医仲間とたまに外食することもあったが,普段は職員食堂で深夜に1人で冷えた御飯を食べたものである.現在では電子レンジで容易に温めることができ,隔世の感がする.しかし,当時は若いこともあり,苦にはならなかった.逆に現在では,若い時代に逆境を経験する大切さを感じている.大学に勤務していたころは,重症患者を抱えると,家にも帰らずに医局のソファで仮眠を取り,外来の診察台で夜を過ごしたこともある.それでも若いため,特に眠れずに疲労困憊した覚えはない.
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