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文献詳細

雑誌文献

臨床検査59巻7号

2015年07月発行

文献概要

遺伝医療ってなに?・7

遺伝カウンセラーというプロフェッショナル

著者: 櫻井晃洋1

所属機関: 1札幌医科大学医学部遺伝医学

ページ範囲:P.714 - P.715

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前回は,遺伝カウンセリングという医療について紹介した.今回は,その遺伝カウンセリングを担うべき人材,遺伝カウンセラーについて紹介したい.

 遺伝カウンセリングという医療が,単なる遺伝や病気についての詳しく丁寧な説明ではなく,逆に遺伝性疾患の当事者に対する“心理”カウンセリングだけでもないことは前回書いたので,ここで繰り返すことは避けるが,遺伝カウンセリング担当者には,①メンデル遺伝学,細胞遺伝学などの正確な知識,②心理社会的支援を行うために知識とカウンセリング技術,③日々進歩する遺伝医学の最新の遺伝情報にアクセスしそれを活用する能力,④遺伝カウンセリングに関係した倫理的・法的・社会的問題を理解し,それに対処できる能力,⑤関連する他の多くの診療部門との調整を行うマネジメント能力,など,多彩で深い能力が要求される.このように高い要求がなされる医療を,医師が通常の診療の合間に行うのは,時間的にも技術的にも極めて困難である(行えていると思っている医師は多い.残念ながら,こうした医療の重要性に気付いていない医師はもっと多い).遺伝に関する非医師の専門家が必要なゆえんであり,それを担うことを期待されるのが遺伝カウンセラー(genetic counserlor)である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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