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文献詳細

雑誌文献

臨床検査6巻10号

1962年10月発行

文献概要

技術解説

血清鉄の定量法

著者: 松原高賢1

所属機関: 1熊本大学医学部第二内科

ページ範囲:P.653 - P.658

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まえがき
 血清あるいは血漿中の鉄は血清タンパクの一つたるβ1グロブリンと結合して存在し,正常平均男138,女120mcg/dlである。鉄欠乏性貧血,感染症,癌では低下し,はなはだしい場合は0に近くなる。再生不良性貧血,悪性貧血,溶血性貧血,急性肝炎では上昇し,はなはだしい場合は400mcg/dlを越すことがある。かくて血清鉄は貧血や黄疸の鑑別診断に役立つ。
 血清鉄の測定法は多数発表されているが,その中で最も精度が高く,実用性をも考慮に入れ総合的に見て最もすぐれているのは筆者の方法1)と思われるので,血清鉄測定を常用検査として行なう検査室には本法を勧めたい。精度は劣るが最も簡易なのはRamsay法2)である。小検査室において参考までに臨時に血清鉄を測定してみたいという場合には本法が適している。そこでこの両者を解説することにする。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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