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クロマトグラフィー
著者: 佐竹一夫1
所属機関: 1都立大学理学部化学教室
ページ範囲:P.843 - P.843
文献購入ページに移動 クロマトグラフィー(クロマト)は吸着現象を利用した分離法の一つで,物質の単離,精製,確認,定量などに広く用いられている。吸着剤を使用する一番基本的な分離法は(i)溶液中に吸着剤を入れて,特定成分だけ吸着させ(ii)他の成分を含む母液と分離(iii)最後に目的成分を溶出するバッチ法である。この方法は原理は簡単であるが,吸着溶出平衡の関係上分別能率はよくない。そこで(i)吸着剤を管につめたカラムに溶液を流し,吸着を完全におこなうようにしたり(ii)試料を吸着したカラムに溶離液を流して溶出するカラム法が考案された。クロマトはこれをさらに改良した分離法である。
これら分離にはイオン交換樹脂など,吸着剤以外の固体でも同様使用できるから,「吸着溶出法」というよりも「液相から固相への試料の捕集されかた,脱離されかたの差を利用した分離」というほうがより一般的である。クロマトでは固相はカラムなどの形として固定し移動させないから固定相,この隙間を流れる液相を移動相とよぶ。いま固定相の一部に試料があり,移動相が流れてきたとすると(i)各成分の一部は移動相に脱離して移動し(ii)固定相の新しい部分にふれるとまた捕集されて止まるという現象が何回となく繰りかえされ,試料の移動がおこる。
これら分離にはイオン交換樹脂など,吸着剤以外の固体でも同様使用できるから,「吸着溶出法」というよりも「液相から固相への試料の捕集されかた,脱離されかたの差を利用した分離」というほうがより一般的である。クロマトでは固相はカラムなどの形として固定し移動させないから固定相,この隙間を流れる液相を移動相とよぶ。いま固定相の一部に試料があり,移動相が流れてきたとすると(i)各成分の一部は移動相に脱離して移動し(ii)固定相の新しい部分にふれるとまた捕集されて止まるという現象が何回となく繰りかえされ,試料の移動がおこる。
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