icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査6巻5号

1962年05月発行

文献概要

技術解説

クライオスタット(Cryostat)を利用した迅速凍結切片作製法

著者: 石川栄世1

所属機関: 1慈恵医科大学病理学教室

ページ範囲:P.303 - P.306

文献購入ページに移動
I.はじめに
 クライオスタットは1938年に,デンマークのLinderstrφm-LangおよびMogensenによって初めてつくられた。彼らは低温を保つためにドライ・アイスを用いて,凍結切片を作製し,これを組織化学検査に応用した。1951年に至って,Coonsおよびその共同研究者たちは,これにいろいうと改良を加え,冷凍機を備えることによって−16°〜−18℃の低温を保つことに成功した。その後,多数の研究室において使用されるようになったが,最近では小型のポータブル・クライオスタットが米国の一部の病院で利用されるようになり,かなりの好成績をおさめているとの報告がある。もちろん,本法の組織化学研究分野での応用価値は貴重であるが,一方,外科病理方面でも益々その利用価値が認められるようになり,近い将来において,必ず従来の凍結切片法にとってかわる方法として,広く用いられるものと信ずる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?