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技術解説
アセチルセルローズ濾紙による血清電気泳動
著者: 春日誠次1 青砥玉江1
所属機関: 1関東逓信病院臨床検査科
ページ範囲:P.443 - P.447
文献購入ページに移動濾紙電気泳動で血清タンパク質の分画分離を行なうのは,Tiseliusの電気泳動装置で行なうのと比べて,血清量がはるかに微量ですむこと,多くの検体を並行していくつも泳動を行なわせることができること,分離した各分画の抽出が簡便に行なわれ得ること,装置が簡便ですむこと等が特徴で,多くの人々の努力でわが国でも研究用に,また臨床検査にかなり広く用いられるようになった。血清については濾紙上で分離したタンパク質各分画は濾紙ごとBPB,アミド黒などの染色液につけてタンパク質にこれらの色素を吸着させ,この吸着した色素量の大小をそのままデンシトメーターにかけ,あるいはその部分を切りとって後水溶液に抽出して比色計にかけて測定することが一般に行なわれる。すなわち,吸着色素量をもってタンパク質量に見合うものとしてこれを測定し,各分画のしめる相関量をパーセントとして算出するものである。したがって液漕内で分離した各分画を屈折率の差の大小によって相関量を出すTiseliusの方法とはその分離法においても,またその測定法においても,異なるものである。
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