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文献詳細

雑誌文献

臨床検査6巻7号

1962年07月発行

研究

結核菌寒天培地の使用について

著者: 高橋昭三1 一言広2

所属機関: 1東京大学医学部細菌学教室 2東京都衛生研究所微生物部

ページ範囲:P.491 - P.495

文献概要

 結核菌の分離培養に用いられる培地として最も安定した成績を示すものが,凝固卵培地,特に3%小川培地であることは論をまたない。そうはいいながら,卵培地の性能はこの辺が限界である。それで,更にすぐれた培地を得るためには,現在,小川培地と同程度の域に達している寒天培地を更に改良するのが一つの方法であるが,現在の培地をどのように使えば最もよい成績を示すか,また,そのときの性能がどの程度かを検討しなければならない。
 現在までに発表された多くの寒天培地は,その原著者が,小川培地と同程度またはそれよりもすぐれた性能を持っていると言っているか,特定の菌種,たとえばIN—AH耐性菌のためにすぐれた培地であるといっているかのいずれか,または両方である。それが,追試されると多くの場合それほどの成績は得られないことが多いようである。その原因として,培地を作る際に,原著者の指示が充分に守られない可能性がある。再現性の高い培地を得る方法も困難なので,いろいろの方法が考案されているが,その一つの方法は,培地の単一粉末化である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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