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文献詳細

雑誌文献

臨床検査6巻8号

1962年08月発行

文献概要

グラフ

検査技師のための解剖学1

著者: 横地千仭1

所属機関: 1横浜市大医学部

ページ範囲:P.507 - P.508

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脳脊髄と脳脊髄液
 脳脊髄の表面には,最外側に硬膜,最内側に軟膜,その間にクモ膜,合計3枚の被膜がある。クモ膜と軟膜との間にはすき間があって,これをクモ膜下腔といい,ここに脳脊髄液がたまっている。クモ膜下腔のうち,特に後頭部の,小脳と延髄との間の部分は最も広くて,小脳延髄槽といわれ,後頭下穿刺により髄液を採ることがある。しかしそのすぐ下には生命を司る延髄があるので,深く刺すと危険である。
 一方脊髄で髄液を採取するのは左右の腸骨稜を結んだ高さ,すなわち第4,第5腰椎の間が通常選ばれる。その理由は脊椎の間が広くて針を刺しやすいことと,この高さでは脊髄そのものはもはや無くて,これから出た神経束,すなわち馬尾のみであるので,誤って針をつき刺しても危険がないからである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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