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文献詳細

雑誌文献

臨床検査60巻1号

2016年01月発行

文献概要

検査説明Q&A・13

健康診断で尿ウロビリノーゲンが陽性でしたが,ほかの検査には著変はみられません.どのようなことが考えられますか?

著者: 神保りか1 下澤達雄2

所属機関: 1東都文京病院内科・総合健診センター 2東京大学医学部附属病院検査部

ページ範囲:P.109 - P.111

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■ビリルビンの代謝とウロビリノーゲンの生成(図1)

 赤血球が寿命を終えると,そのなかのヘモグロビンは脾臓で鉄を含むヘムとグロビン蛋白に分解され,ヘムはさらに鉄と間接ビリルビン(非抱合型ビリルビン)へと分解される.この間接ビリルビンは非水溶性であり,アルブミンと結合して肝臓へと送られる.間接ビリルビンはアルブミンと結合しているため,腎臓で尿として濾過されない.

 肝臓において間接ビリルビンからアルブミンは外され,グルクロン酸転移酵素によってグルクロン酸の抱合を受け,水溶性の直接ビリルビン(抱合型ビリルビン)となる.この直接ビリルビンは黄色い色素で,胆汁色素とも呼ばれ,ほとんどが胆汁の一部となって腸管に分泌される.直接ビリルビンは腸内細菌の働きによって還元されてウロビリノーゲンとなる.ウロビリノーゲンはさらに還元されてステルコビリノーゲンになり,別の部位が酸化されて最終的にはステルコビリンになる.このステルコビリンは大便の茶色の元である.

参考文献

1)矢冨裕:これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集.Medicina 52:10-630,2015
2)三橋知明,Medical Practice編集委員会:臨床検査ガイド 2015年改訂版,文光堂,2015
3)矢﨑義雄:内科学 第10版,朝倉書店,2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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