文献詳細
文献概要
増刊号 心電図が臨床につながる本。 Ⅲ章 波形からみた心電図[2] 不整脈関連Plus
QRSの脱落
著者: 杉本健一1
所属機関: 1東京慈恵会医科大学葛飾医療センター中央検査部
ページ範囲:P.1233 - P.1239
文献購入ページに移動QRSの1拍の脱落は心電図上,突然出現するRR間隔の延長として記録される.突然,RR間隔が延長する病態は,①洞不整脈(呼吸性不整脈),②洞房ブロックあるいは洞停止,③房室ブロックを伴った心房期外収縮〔APC(atrial premature contraction) with block〕,④2度房室ブロックの4つの機序が大半を占めている.
突然出現したRR延長診断のフローチャートを図1に示す.延長前の最後のQRSと延長後の最初のP波の間に,P波があるのかどうかが鑑別の主眼となる.なければ,①洞不整脈(呼吸性不整脈)か②洞房ブロックあるいは洞停止,P波があれば③APC with blockか④2度房室ブロックのどちらかと診断できる.早期性が強い異所性PならばAPC with block,P波が洞性Pなら2度房室ブロックと診断され,さらに,2度房室ブロックであればWenckebach型かMobitzⅡ型かの鑑別が必要となる.
参考文献
掲載誌情報