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今月の特集2 脂質検査の盲点
TG測定法の現状と展望
著者: 栢森裕三1 河野弥季23
所属機関: 1九州大学大学院医学研究院保健学部門検査技術科学分野 2国際医療福祉大学成田保健医療学部医学検査学科 3九州大学大学院医学系学府保健学専攻
ページ範囲:P.1444 - P.1450
文献購入ページに移動●中性脂肪は,グリセロール骨格に3分子の脂肪酸が結合したトリグリセライド(TG),2分子結合したジグリセライド(DG),そして1分子結合したモノグリセライド(MG)の総称である.血清中ではその90〜95%がTGであるので中性脂肪とTG(トリアシルグリセロールともいう)は同義語として使用されている.
●TGは動脈硬化との関連性が強い.脂質異常症の診断基準やいわゆる“メタボ健診”の脂質項目の1つとして測定が義務付けられるなど,測定の必要性やその正確性が重要視されている.
●わが国でのTG測定法は,日本臨床化学会勧告法である内因性遊離グリセロール(FG)を消去する方法が主流であるが,海外では内因性FGを含む総グリセロールを測定する非消去法が増加傾向にある.診断・治療効果,動脈硬化や心血管疾患リスクを正しく評価できる測定方法を選択することが重要である.
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