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文献詳細

雑誌文献

臨床検査60巻2号

2016年02月発行

文献概要

今月の特集1 深く知ろう! 血栓止血検査

PT,APTT—止血異常のスクリーニング検査としてのPT,APTT

著者: 小宮山豊1 吉賀正亨1

所属機関: 1関西医科大学病態検査学講座

ページ範囲:P.130 - P.135

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Point

●プロトロンビン時間(PT)は,外因系凝固異常の検出,抗凝固薬ワルファリンのモニタリング,播種性血管内凝固症候群(DIC),重症肝障害診断の必須検査項目として有用である.

●活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)は,内因系凝固異常の検査,血友病の検査,ヘパリンのモニタリング,抗リン脂質抗体症候群(APS)のスクリーニング検査として有用である.

●PTおよびAPTTは,血小板数やD-ダイマーと組み合わせて,手術などの外科的処置を伴う治療前に止血困難などを事前に検出するためのスクリーニング検査として有用である.

●APTT延長はほとんどの場合に出血傾向を示すが,動静脈の血栓症発症が問題となるAPSでもAPTTは延長する.

参考文献

1)厚生労働省難治性疾患克服研究事業「難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究」班:原発性胆汁性肝硬変(PBC)の診療ガイドライン(2012年),2012(http://minds4.jcqhc.or.jp/minds/PBC/PBC_Ver.1.2.pdf)
2)Salvagno GL, Lippi G, Bassi A, et al:Prevalence and type of pre-analytical problems for inpatients samples in coagulation laboratory. J Eval Clin Pract 14:351-353,2008
3)家子正裕,小宮山豊,山崎哲,他:凝固検査用サンプル取り扱いの標準化に関する提言.日検血会誌 16:S59,2015
4)山崎哲,家子正裕,片桐尚子,他:凝固検査検体取り扱いに関するコンセンサス(案)─その1.日検血会誌 16:S144,2015
5)片桐尚子,家子正裕,山崎哲,他:凝固検査検体取り扱いに関するコンセンサス(案)─その2.日検血会誌 16:S144,2015
6)小宮山豊:臨床検査室の役割.臨床に直結する血栓止血学(朝倉英策編),中外医学社,pp26-30,2013
7)JCS Joint Working Group:Guidelines for Pharmacotherapy of Atrial Fibrillation (JCS 2013). Circ J 78:1997-2021,2014
8)Kodani E, Atarashi H, Inoue H, et al:Use of Warfarin in Elderly Patients With Non-Valvular Atrial Fibrillation - Subanalysis of the J-RHYTHM Registry. Circ J,2015,in press
9)小宮山豊:PT,APTT.臨検 59:1108-1112(増刊号),2015

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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