文献詳細
文献概要
今月の特集1 深く知ろう! 血栓止血検査
FDPとD-ダイマー
著者: 内場光浩1
所属機関: 1熊本大学医学部附属病院輸血・細胞治療部
ページ範囲:P.144 - P.150
文献購入ページに移動Point
●フィブリン分解産物(FDP)およびD-ダイマーは,凝固活性化とそれに続く線溶活性化を総体的に表す指標である.
●FDPとD-ダイマーはフィブリン形成までの時間的影響を受ける.フィブリン形成極早期にはFDPの上昇が著しい.
●FDPとD-ダイマーは線溶系の制御因子の影響を大きく受ける.α2-アンチプラスミン(α2-AP)が低下した線溶制御不能状態ではフィブリン早期分解によってFDPの著しい上昇をみる場合がある.
●FDPもD-ダイマーも抗体特性によるキット間差が存在するのに加え,標準物質も存在しないため,標準化は不可能である.
●フィブリン分解産物(FDP)およびD-ダイマーは,凝固活性化とそれに続く線溶活性化を総体的に表す指標である.
●FDPとD-ダイマーはフィブリン形成までの時間的影響を受ける.フィブリン形成極早期にはFDPの上昇が著しい.
●FDPとD-ダイマーは線溶系の制御因子の影響を大きく受ける.α2-アンチプラスミン(α2-AP)が低下した線溶制御不能状態ではフィブリン早期分解によってFDPの著しい上昇をみる場合がある.
●FDPもD-ダイマーも抗体特性によるキット間差が存在するのに加え,標準物質も存在しないため,標準化は不可能である.
参考文献
1)Wolberg AS:Determinants of fibrin formation, structure, and function. Curr Opin Hematol 19:349-356,2012
2)Weisel JW, Litvinov RI:Mechanisms of fibrin polymerization and clinical implications. Blood 121:1712-1719,2013
3)内場光浩:FDP/D-ダイマー.日血栓止血会誌 15:108-115,2014
4)岡田清孝,松尾理:α2-PIの基礎と臨床.図説 血栓・止血・血管学─血栓症制圧のために(一瀬白帝,編著),中外医学社,pp595-605,2005
5)Uchiba M, Imamura T, Hata H, et al:Excessive fibrinolysis in AL-amyloidosis is induced by urokinae-type plasminogen activator from bone marrow plasma cells. Amyloid 16:89-93,2009
6)Madoiwa S, Kitajima I, Ohmori T, et al:Distinct reactivity of the commercially available monoclonal antibodies of D-dimer and plasma FDP testing to the molecular variants of fibrin degradation products. Thromb Res 132:457-464,2013
掲載誌情報