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今月の特集1 深く知ろう! 血栓止血検査
凝固・線溶の分子マーカー—複合体マーカー
著者: 山﨑哲1
所属機関: 1聖マリアンナ医科大学病院臨床検査部
ページ範囲:P.152 - P.156
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●トロンビン-アンチトロンビン複合体(TAT)とプロトロンビンフラグメント1+2(PF1+2)は生体内でのトロンビンの生成を反映する分子マーカーである.
●理論的にはTATとPF1+2は一致した動きをするが,半減期の違いや採血時期によって必ずしも一致しない症例も存在するため,注意する.
●可溶性フィブリンモノマー複合体(SFMC)は生成したトロンビンがフィブリノゲンに作用したことを意味し,理論上,血液凝固の初期を反映するが,試薬によって反応する分子種が異なるため注意する.
●凝固活性化マーカーは採血などのアーチファクトによっても高値となるため,他の検査と併せて評価する.
●プラスミン-α2-プラスミンインヒビター複合体(PIC)はプラスミンの生成を反映する分子マーカーであり,線溶活性化を把握する指標となる.
●トロンビン-アンチトロンビン複合体(TAT)とプロトロンビンフラグメント1+2(PF1+2)は生体内でのトロンビンの生成を反映する分子マーカーである.
●理論的にはTATとPF1+2は一致した動きをするが,半減期の違いや採血時期によって必ずしも一致しない症例も存在するため,注意する.
●可溶性フィブリンモノマー複合体(SFMC)は生成したトロンビンがフィブリノゲンに作用したことを意味し,理論上,血液凝固の初期を反映するが,試薬によって反応する分子種が異なるため注意する.
●凝固活性化マーカーは採血などのアーチファクトによっても高値となるため,他の検査と併せて評価する.
●プラスミン-α2-プラスミンインヒビター複合体(PIC)はプラスミンの生成を反映する分子マーカーであり,線溶活性化を把握する指標となる.
参考文献
1)朝倉英策,高橋芳右,内山俊正,他:日本血栓止血学会DIC診断基準暫定案.日血栓止血会誌 25:629-646,2014
2)川合陽子,新井盛大:凝固・線溶系の分子マーカー.スタンダード血液学第3版(日本検査血液学会編),医歯薬出版,pp177-183,2014
3)古賀震:Prothrombin fragment 1+2, Thrombin antithrombin complex, Fibrinopeptide A.Thromb Med 1:77-82,2011
4)朝倉英策:DIC〜病型診断から治療への応用〜.日検血会誌 14:319-329,2013
5)家子正裕:血栓塞栓症の診断 血液凝固バイオマーカー.臨と研 92:281-286,2015
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