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文献詳細

雑誌文献

臨床検査60巻2号

2016年02月発行

文献概要

今月の特集2 実践に役立つ呼吸機能検査の測定手技

1回呼吸法による肺拡散能力測定

著者: 大久保輝男1

所属機関: 1埼玉県立循環器・呼吸器病センター検査技術部

ページ範囲:P.194 - P.201

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Point

●肺拡散能力(DLCO)は多くの因子によって影響を受ける.影響を与える因子には,体位,心拍数,吸入気酸素分圧,喫煙,ヘモグロビン濃度,測定間隔,吸気量(VI),吸気時間,呼吸停止時間(BHT),呼吸停止時の胸腔内圧,呼気時間などがある.

●日本呼吸器学会のガイドラインでは,患者の肺活量(VC)が2L以下の低肺気量患者の洗い出し量は0.5Lに,サンプル量は0.5Lまで下げてよいとされている.はじめにサンプル量を減らし,それでも足りない場合に洗い出し量を減らすとよい.

●閉塞性換気障害が強い場合には,最大呼出から最大吸気に移るときに漏れが生じやすいので,患者の口元を注視する必要がある.

参考文献

1)鈴木俊介,永井厚志(編):呼吸機能の臨床─検査法から症例検討まで,中外医学社,pp62-71,1996
2)西本幸男,西田修実,正木純生:一回呼吸法─(1)拡散能力.呼吸と循環 15:143-151,1967
3)日本呼吸器学会肺生理専門委員会:呼吸機能検査ガイドライン─スパイロメトリー,フローボリューム曲線,肺拡散能力,メディカルレビュー社,2004
4)American Thoracic Society:Single-breath carbon monoxide diffusing capacity (transfer factor). Recommendations for a standard technique--1995 update. Am J Respir Crit Care Med 152 (6 Pt 1):2185-2198,1995

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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