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文献詳細

雑誌文献

臨床検査60巻5号

2016年05月発行

文献概要

今月の特集1 体腔液の臨床検査

体腔液の細胞診・病理検査

著者: 濱川真治1 清水誠一郎2

所属機関: 1公立昭和病院臨床検査科 2公立昭和病院病理診断科

ページ範囲:P.504 - P.511

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Point

●体腔液にはさまざまな細胞が出現するため,浮遊細胞の多彩な形態変化を理解しておかなくてはならない.

●体腔液に出現する悪性細胞の多くは,本来,体腔には存在しない“外来性細胞”であり,背景に出現する良性の細胞との形態相違が良悪の判定に役立つことが多い.

●体腔液細胞診が最終診断になることもある.初回検体の取り扱いと標本作製技術が細胞診断を左右する.

●セルブロックによる免疫組織化学染色や遺伝子検索などの補助的検査法を加えることによって,体腔液細胞診材料は分子標的治療の適応判定にも貢献する.

参考文献

1)海老原善郎,亀井敏昭(監修):漿膜組織の構造と機能.体腔液細胞診アトラス—体腔液細胞診理解のために,篠原出版新社,pp3-15,2002
2)細胞検査士会(編):体腔液検体取り扱いフローチャート.細胞診標本作製マニュアル 体腔液,pp1-2,2008(http://www.intercyto.com/lecture/manual/fluid_manual.pdf)
3)山田喬:採取材料の処理 細胞遠心法.細胞病理診断学,文光堂,pp22-25,1995
4)濱川真治:体腔液細胞診塗沫標本・セルブロック作製におけるピットフォール.検と技 44:426-429,2016
5)日本臨床細胞学会:細胞診ガイドライン4 呼吸器・胸腺・体腔液・リンパ節 第1版,金原出版,pp152-158,2015
6)三宅康之,福屋美奈子,鐵原拓雄,他:胸腹水におけるコロジオンバックを用いたセルブロック組織診の意義.臨検 41:595-597,1997
7)佐野順司,吉本尚子,溝口良順,他:アルギン酸ナトリウムを用いたセルブロック法の有用性についての検討.日臨細胞会誌 44:291-297,2005
8)神谷誠,竹崎悌二,富澤雄一,他:病理技術 グルコマンナンを用いたセルブロック作製法.病理と臨 24:871-875,2006
9)濱川真治,柏崎好美,櫻井勉:クライオバイアルを用いた簡易セルブロック法.病理技術 69:18-19,2006
10)濱川真治,櫻井勉,近藤洋一,他:細胞診セルブロック標本の免疫組織細胞化学.病理技術 77:30-32,2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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