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文献詳細

雑誌文献

臨床検査60巻5号

2016年05月発行

文献概要

今月の特集2 感度を磨く—検査性能の追求

—血球検査編—血球計数の可能性と限界

著者: 池田千秋1

所属機関: 1国家公務員共済組合連合会虎の門病院臨床検体検査部

ページ範囲:P.535 - P.539

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Point

●現在の自動血球計数装置による血球計数(CBC)の精度は,臨床的許容限界や生理的変動幅から求めた許容誤差限界について満足のいくレベルとなっている.

●自動血球計数装置によるCBCにはさまざまな誤差要因が存在し,適切な対処が求められる.特に血小板数測定は遭遇頻度が高い.

●白血球分画では,異常細胞を見逃さず業務の効率化を図るために,適切な目視再検基準の設定が重要である.

●目視による白血球分類では,疾患によって観察の方法も変わってくるため,細胞形態だけでなく病型についても理解を深める必要がある.

参考文献

1)岩崎陽介:血球分析装置の歩みと新しい技術—血球計数から白血球5分類,そして体液測定まで.都臨技会誌 40:176-180,2012
2)澤田朝寛:自動血球計数装置のデータを理解するための基礎知識.Med Technol 43:224-233,2015
3)清水長子:自動血球測定法.スタンダード検査血液学 第3版 CD-ROM付(日本検査血液学会編),医歯薬出版,pp85-93,2014
4)JCCLS血液ワーキンググループ:血球計数値の臨床的許容限界 JCCLSからの提唱.臨病理 42:764-766,1994
5)和田結,辛島貴人,濱﨑直孝,他:血液凝固検査・血球計数・生化学的検査の生理的変動幅と許容誤差限界の設定.臨化 32:200-209,2003
6)須長真司:補助療法 輸血.血液内科クリニカルスタンダード—必携ベッドサイドで必ず役立つ臨床血液学のエッセンス(東原正明,須永真司編),文光堂,pp351-357,2003
7)片桐尚子,荒井智子,谷田部陽子,他:多項目自動血球分析装置XN-Seriesにおける新規血小板測定チャンネルを用いた低値域血小板測定性能の検討.Sysmex J 34(Suppl.2):1-10,2011
8)三島清司:末梢血液像を読む 自動血球計数装置の基礎とデータの有効活用 3.最適な目視再検基準とは.Med Technol 43:268-273,2015

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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