icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査60巻5号

2016年05月発行

文献概要

検査説明Q&A・16

甲状腺関連項目の測定における自己抗体の影響を教えてください

著者: 村上正巳12

所属機関: 1群馬大学大学院医学系研究科臨床検査医学 2群馬大学医学部附属病院検査部

ページ範囲:P.573 - P.575

文献購入ページに移動
■血中甲状腺ホルモン濃度の調節機構

 甲状腺ホルモンは甲状腺組織中のサイログロブリン(thyroglobulin:Tg)の分子のなかで合成される.その合成と分泌は,下垂体から分泌される甲状腺刺激ホルモン(thyroid-stimulating hormone:TSH)によって調節されており,視床下部-下垂体-甲状腺系にはネガティブフィードバック機構が存在する(図1).すなわち,一般にTSHの上昇は原発性甲状腺機能低下症を,TSHの低下は甲状腺中毒症を示す.

 甲状腺から分泌される主な甲状腺ホルモンはサイロキシン(thyroxine:T4)であり,甲状腺機能低下症の治療に用いられるのは主にT4製剤であるが,生理活性は3,5,3′-トリヨードサイロニン(triiodothyronine:T3)が強い.甲状腺ホルモン脱ヨード酵素の働きによってT4は脱ヨードを受けてT3に変換され,生理作用を発揮する.

参考文献

1)村上正巳:甲状腺ホルモンと甲状腺自己抗体検査の最近の動向.臨検 58:1456-1462,2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら