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検査レポート作成指南・17
尿沈渣検査編
著者: 油野友二1
所属機関: 1北陸大学新学部設置準備室
ページ範囲:P.76 - P.85
文献購入ページに移動 尿一般検査は歴史のある臨床検査であるが,今日でも腎尿路系疾患のスクリーニング検査として重要な位置付けである.その主な臨床的意義は5つの尿異常の検出にある.すなわち,①膿尿,②細菌尿,③血尿,④蛋白尿,⑤代謝異常尿(結晶尿,糖尿その他)を見逃しなく検出することである.尿沈渣検査は尿異常を検出するための形態学的検査として位置付けられ,尿中の有形成分である上皮細胞類,血球類,円柱類,結晶・塩類,細菌類についてそれぞれ正確に分類と概数計測することで,尿定性所見と組み合わせて尿異常を示す病態の推定情報を提供している1).
尿一般検査の多くは外来受診時の迅速検査であり,一般的にその結果はオンラインで報告されている.その場合は,字数制限から十分に検査側の意図を伝えられないこともあり,より臨床的意義の高い例などでは電話連絡の後に別途,尿沈渣検査レポートが作成され報告されていると考える.臨床医は尿沈渣成分の詳細な形態やその意義について十分に教育されていない世代も多く,検査部からのレポートはその症例における重要性のみならず教育的意義も高いといえる.
本稿では,どのような場合に尿沈渣検査レポートが必要であり,その記載はどのようなものが望ましいかについて指南する.
尿一般検査の多くは外来受診時の迅速検査であり,一般的にその結果はオンラインで報告されている.その場合は,字数制限から十分に検査側の意図を伝えられないこともあり,より臨床的意義の高い例などでは電話連絡の後に別途,尿沈渣検査レポートが作成され報告されていると考える.臨床医は尿沈渣成分の詳細な形態やその意義について十分に教育されていない世代も多く,検査部からのレポートはその症例における重要性のみならず教育的意義も高いといえる.
本稿では,どのような場合に尿沈渣検査レポートが必要であり,その記載はどのようなものが望ましいかについて指南する.
参考文献
1)日本臨床衛生検査技師会尿沈渣検査法編集委員会(編):尿沈渣検査法2010,日本臨床衛生検査技師会,2011
2)血尿診断ガイドライン編集委員会,日本腎臓学会,日本泌尿器科学会,他:血尿診断ガイドライン2013,ライフサイエンス出版,2013
3)油野友二,滝野豊,松村隆弘:検査部に必要な血尿診断ガイドライン2013のポイント.生物試料分析 38:227-234,2015
4)油野友二:尿沈渣検査にフローサイトメトリーが応用されていると聞きましたが,どの程度進んでいるのですか?検と技 43:802-807,2015
5)日本腎臓学会(編):CKD診療ガイド2012,東京医学社,2012
6)油野友二,松村隆弘,橋本浩之:腎尿路結石を伴わない酸性尿酸アンモニウム尿症を呈したロタウイルス胃腸炎の1例.小児臨 64:2367-2372,2011
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