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文献詳細

雑誌文献

臨床検査61巻11号

2017年11月発行

文献概要

今月の特集 母子感染の検査診断 各論

—母子感染で問題となるウイルス感染症—肝炎ウイルス感染症

著者: 酒井愛子1 須磨崎亮12

所属機関: 1筑波大学小児科 2茨城県立こども病院

ページ範囲:P.1393 - P.1397

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Point

●B型肝炎ウイルス(HBV)とC型肝炎ウイルス(HCV)は血液を介して感染し,母子感染のリスクとなる.

●妊娠初期にHBs抗原とHCV抗体のスクリーニング検査を行って,母子感染のリスクを評価する.

●HBs抗原陽性の妊婦から出生した児には,生後12時間以内に抗HBsヒト免疫グロブリンとB型肝炎ワクチンを使用し,生後1カ月と6カ月にもワクチン接種を行って,母子感染予防を行う.

●HBs抗原陽性またはHCV抗体陽性の母親から出生した児では,母子感染の有無を診断するために,特定の時期に血液検査を行う.

参考文献

1)肝炎情報センター:肝炎ウイルス検査マップ(http://www.kanen.ncgm.go.jp/kan-en/knowledge/)(最終アクセス:2017年9月26日)
2)国立感染症研究所:B型肝炎ワクチンに関するファクトシート(平成22年7月7日版)(http://www.mhlw.go.jp/stf2/shingi2/2r9852000000bx23-att/2r9852000000bxqf.pdf)(最終アクセス:2017年8月23日)
3)白木和夫:B型肝炎母子感染防止事業開始後に出生した小児のHBVキャリアー率.IASR 21:74-75,2000(http://idsc.nih.go.jp/iasr/21/242/dj2422.html)(最終アクセス:2017年8月23日)
4)日本小児科学会:B型肝炎ウイルス母子感染予防のための新しい指針(http://www.jpeds.or.jp/uploads/files/HBV20131218.pdf)(最終アクセス:2017年8月23日)
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8)EASL2017 Clinical Practice Guidelines on the management of hepatitis B virus infection. J Hepatol 67:370-398,2017
9)日本産婦人科学会/日本産婦人科医会:妊娠中にHCV抗体陽性が判明した場合は?.産婦人科診療ガイドライン 産科編2017,日本産科婦人科学会,pp358-361,2017
10)白木和夫,大戸斉,稲葉憲之,他:C型肝炎ウイルスキャリア妊婦とその出生児の管理ならびに指導指針.日小児会誌 109:78-79,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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