文献詳細
文献概要
今月の特集1 推奨される抗核抗体検査
実臨床での抗核抗体検査結果の解釈
著者: 伊藤聡1
所属機関: 1新潟県立リウマチセンター
ページ範囲:P.1469 - P.1473
文献購入ページに移動Point
●抗核抗体測定は蛍光抗体(IF)法と酵素免疫測定(ELISA)法がある.膠原病特異抗体測定時にELISA法の定量は有効である.一方IF法は,未知の自己抗体を含めた全ての抗核抗体の検出に優れている.
●抗DNA抗体には放射免疫測定(RIA)法とELISA法がある.RIA法が疾患活動性をより正確に表す可能性があるが,環境保全の面では,アイソトープを使用しないELISA法が優れている.
●ENA抗体の測定は二重免疫拡散法(DID法,別名Ouchterlony法)とELISA法がある.ELISA法では,高γグロブリン血症が存在する場合の偽陽性に注意をする.抗SS-A抗体がDID法で32倍以上の場合は胎児の完全房室(AV)ブロックの予測になり,ELISA法での抗体価の追跡が有用である可能性がある.
●近年,RNAポリメラーゼⅢ抗体,抗ARS抗体,抗MDA5抗体,抗TIF-1γ抗体,抗Mi-2抗体などの測定が保険収載され,膠原病の診断,治療の進歩が期待される.
●抗核抗体測定は蛍光抗体(IF)法と酵素免疫測定(ELISA)法がある.膠原病特異抗体測定時にELISA法の定量は有効である.一方IF法は,未知の自己抗体を含めた全ての抗核抗体の検出に優れている.
●抗DNA抗体には放射免疫測定(RIA)法とELISA法がある.RIA法が疾患活動性をより正確に表す可能性があるが,環境保全の面では,アイソトープを使用しないELISA法が優れている.
●ENA抗体の測定は二重免疫拡散法(DID法,別名Ouchterlony法)とELISA法がある.ELISA法では,高γグロブリン血症が存在する場合の偽陽性に注意をする.抗SS-A抗体がDID法で32倍以上の場合は胎児の完全房室(AV)ブロックの予測になり,ELISA法での抗体価の追跡が有用である可能性がある.
●近年,RNAポリメラーゼⅢ抗体,抗ARS抗体,抗MDA5抗体,抗TIF-1γ抗体,抗Mi-2抗体などの測定が保険収載され,膠原病の診断,治療の進歩が期待される.
参考文献
1)伊藤聡,下条文武:RIA法での抗DNA抗体測定法の採用について.新潟大学医学部附属病院Kensabu News 15:4,2002
2)Anami A, Fukushima K, Takasaki Y, et al:The predictive value of anti-SS-A antibodies titration in pregnant women with fetal congenital heart block. Mod Rheumatol 23:653-658,2013
3)宮野章,中山雅弘,新井次郎,他:酵素免疫測定法による抗SS-A/B抗体標準化の検討.臨リウマチ 24:247-259,2012
4)桑名正隆:新規に保険収載された検査法 抗RNAポリメラーゼⅢ抗体測定の臨床的有用性.Mod Media 56:293-298,2010
5)山崎宣興,山田秀裕,佐藤実:新たに保険収載された多発性筋炎・皮膚筋炎の検査法:抗アミノアシルtRNA合成酵素(ARS)抗体について.Mod Media 60:14-19,2014
6)藤本学:皮膚筋炎特異抗体の最近の知見.臨神経 54:1110-1112,2014
7)中嶋蘭,三森経世:抗MDA5(melanoma differentiation-association gene 5)抗体と皮膚筋炎・急速進行性間質性肺炎.日臨免疫会誌 36:71-76,2013
8)佐伯敬子,鈴木栄一,渡辺武,他:多発性筋炎/皮膚筋炎に伴った間質性肺炎の予後に関する検討.リウマチ 34:16-21,1994
掲載誌情報