文献詳細
文献概要
検査説明Q&A・32
血小板輸血を実施しても血小板数が増加しない患者がいますが,どうすればよいですか?
著者: 梶原道子1
所属機関: 1東京医科歯科大学医学部附属病院輸血部
ページ範囲:P.1532 - P.1535
文献購入ページに移動■血小板輸血不応(PTR)
血小板輸血を行っても,期待したように血小板数が増加しないことを反復する場合,血小板輸血不応(platelet transfusion refractoriness:PTR)と呼ぶ.
血小板輸血を行った際に,予測される血小板増加数は,表1①のように計算される1).一方,血小板輸血効果判定には補正血小板増加数(corrected count increment:CCI)を用いる.CCIは表1②のように計算される.血小板輸血後1時間のCCIが7,500/μL未満,または輸血後20〜24時間のCCIが4,500/μL未満の場合,PTRと判定する2).
血小板輸血を行っても,期待したように血小板数が増加しないことを反復する場合,血小板輸血不応(platelet transfusion refractoriness:PTR)と呼ぶ.
血小板輸血を行った際に,予測される血小板増加数は,表1①のように計算される1).一方,血小板輸血効果判定には補正血小板増加数(corrected count increment:CCI)を用いる.CCIは表1②のように計算される.血小板輸血後1時間のCCIが7,500/μL未満,または輸血後20〜24時間のCCIが4,500/μL未満の場合,PTRと判定する2).
参考文献
1)厚生労働省医薬・生活衛生局:血液製剤の使用指針(平成29年3月改定版),2017(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/0000161115.pdf)(最終アクセス:2017年9月29日)
2)Stanworth SJ, Navarrete C, Estcourt L, et al:Platelet refractoriness--practical approaches and ongoing dilemmas in patient management. Br J Haematol 171:297-305,2015
3)日本輸血・細胞治療学会:輸血のQ&A Q134 血小板輸血を行っても血小板数が上昇しない場合の対処法について教えてください(文責 倉田義之)(http://yuketsu.jstmct.or.jp/transfusion_of_qa2/)(最終アクセス:2017年9月29日)
4)Klein HG, Anstee DI:Immunology of leukocytes, platelets and plasma components. Mollison's Blood Transfusion in Clinical Medicine, 12th ed, Wiley Blackwell, Chichester, UK,pp549-610,2014
5)柴田洋一:血小板型(HPA)と検査法—血小板輸血,副作用(NAITを含む).輸血学 改訂第3版(遠山博,柴田洋一,前田平生,他編),中外医学社,pp462-495,2004
6)高橋大輔:血小板輸血不応におけるHLA抗体の臨床的意義.MHC 23:96-107,2016
7)日本赤十字社:照射濃厚血小板HLA-LR「日赤」添付文書(http://www.jrc.or.jp/mr/pdf/16_tenpu_Ir-PC-HLA-LR.pdf)(最終アクセス:2017年9月29日)
8)荒木延夫:HLA検査.最新臨床検査学講座 免疫検査学(窪田哲朗,藤田清貴,細井英司,他編),医歯薬出版,pp365-385,2017
掲載誌情報