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文献詳細

雑誌文献

臨床検査61巻2号

2017年02月発行

文献概要

検査説明Q&A・25

M蛋白血症の患者で,M蛋白以外の軽鎖(L鎖)の沈降線に歪みが認められました.どのようなことが考えられますか?

著者: 藤田清貴12

所属機関: 1群馬パース大学大学院保健科学研究科病因・病態検査学領域 2群馬パース大学保健科学部検査技術学科

ページ範囲:P.206 - P.210

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■M蛋白

 免疫グロブリンは,生体内における体液性免疫機構を担当する蛋白でIgG,IgA,IgM,IgD,IgEの5つのクラスが知られている.それぞれのH鎖をγ,α,μ,δ,εと称し,軽鎖(light chain:L鎖)はκ鎖,λ鎖の2つのタイプに分類されている.M蛋白とは単クローン性(monoclonal)に増殖した免疫グロブリンのことをいう.多発性骨髄腫,原発性マクログロブリン血症,H鎖病,単クローン性ガンマグロブリン血症(monoclonal gammopathy of undetermined significance:MGUS)などにみられ,その検出は診断的価値が高い1)

参考文献

1)林由里子,田中寿幸,藤田清貴:免疫グロブリン.medicina 52:136-138,2015
2)藤田清貴:M蛋白の検査法.検と技 30:33-38,2002
3)藤田清貴:免疫電気泳動.medicina 52:130-133,2015
4)藤田清貴:Bence Jones蛋白.medicina 52:144-146,2015
5)藤田清貴:臨床検査で遭遇する異常蛋白質 基礎から発見・解析法まで,医歯薬出版,2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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