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増刊号 臨床検査スターターズガイド 1章 スターターズ必修! 検査業務の基礎知識
不適切なサンプリングがデータに与える影響
著者: 清宮正徳1
所属機関: 1国際医療福祉大学成田保健医療学部医学検査学科
ページ範囲:P.342 - P.343
文献購入ページに移動 検査室ではさまざまなサンプルを扱いますが,本稿では採血について述べます.採血の不備が検体検査にどのような影響を与えるのかを知っておくことは重要です.採血は「標準採血法ガイドライン」1)に従って実施するのが原則ですが,血管の確認しづらい患者など,順守できない場合もあります.また,検査をよく知っているはずの検査技師が採血したのに,認識不足による不手際が検査結果に有意な影響を与えることもあります.一方,病棟などで医師や看護師が採血した場合は,どのような採血状況であったのか,検査室側ではみていません.不審な異常値が出た際,検査室では採血の不備を疑い,医師・看護師は検査室の不備を疑うようでは,よい医療が提供できないのは明らかです.
不審な異常値が出現した際に,サンプリングの不備の可能性が指摘できれば,検査室の信頼性の向上にもつながります.しっかりと勉強し,勇気をもって報告(指摘)しましょう.
不審な異常値が出現した際に,サンプリングの不備の可能性が指摘できれば,検査室の信頼性の向上にもつながります.しっかりと勉強し,勇気をもって報告(指摘)しましょう.
参考文献
1)日本臨床検査標準協議会:採血手技に関する諸注意.標準採血法ガイドライン第2版(GP4-A2)(渡辺卓編),学術広告社,2011
2)清宮正徳:測定前工程で知っておくべき基礎知識 生化学・免疫学的検査用検体.臨病理 63:1377-1386,2015
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