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文献詳細

雑誌文献

臨床検査61巻4号

2017年04月発行

文献概要

増刊号 臨床検査スターターズガイド 1章 スターターズ必修! 検査業務の基礎知識

基準値,基準範囲,臨床判断値

著者: 濵田悦子1 前川真人2

所属機関: 1浜松医科大学医学部附属病院検査部 2浜松医科大学医学部臨床検査医学

ページ範囲:P.348 - P.349

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 臨床検査は日常診療において“病態”,“疾患”を判断するために重要な情報を提供します.病気(病態)の診断には,①疾患(病態)の診断(狭義の診断),②診療経過の把握(病期,治療効果の把握),③予後の推定(予測)の3つがあります.また,ハイリスク者の発症前診断(予測)や予防医学にも重要であり,検診・健診にも多用されています.

 結果を数値で報告する客観的な情報が多いため,ものさしが必要であり,目的に応じた種々の判定の基準となる基準値(広義)を使用します.基準値(広義)には大別して基準範囲と臨床判断値があり,定義も設定方法も大きく異なります.基準範囲とは,一定の条件を満たす健常者から求めた検査値を解釈するための目安となる範囲(統計学的に測定分布の95%の値が入る範囲)であり,一般集団の健常と考えられるかどうかを判断します.一方,臨床判断値は,特定の病態かどうかを判断する基準であり,疫学的に求めたものが多いです.

参考文献

1)河合忠:予防医学に関連した最近の話題—日本人間ドック学会・「新規準範囲」について—.予医ジャーナル 478:16-22,2014
2)市原清志:基準範囲・臨床判断値.臨床検査のガイドライン JSLM2012 検査値アプローチ/症候/疾患(日本臨床検査医学会ガイドライン作成委員会編),宇宙堂八木書店,pp11-17,2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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