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文献詳細

雑誌文献

臨床検査61巻7号

2017年07月発行

文献概要

検査説明Q&A・29

結核菌の塗抹検査およびPCR検査は陰性でしたが,培養検査は陽性でした.感染対策上,どのような対処をすればよいですか?

著者: 永井英明1

所属機関: 1独立行政法人国立病院機構東京病院呼吸器センター

ページ範囲:P.870 - P.875

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■はじめに

 肺結核の診断には基本的に連続3回の喀痰検査が必要です.その3回の検査結果のうち,最も重い結果に基づいて診断や接触者健診などを行うことになっています.したがって,この質問も3回の喀痰検査を行った結果,“喀痰塗抹検査陰性およびPCR検査は陰性,培養検査陽性であった”とします.喀痰は菌検査に適した良好な喀痰が3回採取できたという条件が付くのは言うまでもありません.

参考文献

1)Schlossberg D:Tuberculosis and Nontuberculous Mycobacterial Infections, 6th ed, ASM Press, Washington,2011
2)青木正和:JATAブックスNo.13 結核集団感染,結核予防会,1998
3)Loudon RG, Spohn SK:Cough frequency and infectivity in patients with pulmonary tuberculosis. Am Rev Respir Dis 99:109-111,1969
4)Loudon RG, Roberts RM:Droplet expulsion from the respiratory tract. Am Rev Respir Dis 95:435-442,1967
5)佐藤瑞枝:結核医療の将来 特に化学療法開始後の喀痰中結核菌量の推移について.結核 60:538-549,1985
6)石川信彦(代表),阿彦忠之(研究分担者):感染症法に基づく結核の接触者健康診断の手引き 改訂第5版.厚生労働科学研究(新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究事業)「地域における効果的な結核対策の強化に関する研究」,2014(http://www.phcd.jp/02/kenkyu/kouseiroudou/pdf/tb_H25_tmp02.pdf)(2017年6月2日アクセス)
7)加藤誠也,西村伸雄,高梨信吾,他:インターフェロンγ遊離試験使用指針.結核 89:717-725,2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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