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今月の特集1 病態から学ぶ生化学
病態から学ぶポルフィリン・ビリルビン代謝とその動態
著者: 上硲俊法1
所属機関: 1近畿大学医学部臨床検査医学
ページ範囲:P.937 - P.944
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●ポルフィリンはヘムの生合成過程の中間代謝産物である.ポルフィリン代謝によって合成されたヘムはヘモグロビンなどのヘム蛋白に利用される.
●ポルフィリン代謝異常には先天異常(ポルフィリン症)と後天的障害(鉛中毒など)がある.これらの疾患ではポルフィリン代謝の中間代謝産物であるδアミノレブリン酸(δALA),ポルホビリノーゲン(PBG),各種ポルフィリン体が尿,血液,胆汁,糞便で増加する.
●ヘムを原材料として産生されたビリルビンの多くは,血中アルブミンなどに結合して存在し,類洞側肝細胞膜の輸送蛋白(OATP1B1/OATP1B3)によって取り込まれる.肝細胞でUGT1A1によって抱合反応を受ける.抱合ビリルビンは毛細胆管側肝細胞膜のトランスポーターであるMRP2によって胆管内腔へ排泄される.
●体質性黄疸には,高非抱合ビリルビン血症を起こすCrigler-Najjar症候群Ⅰ型・Ⅱ型,Gilbert症候群(これらはUGT1A1の異常が原因),抱合ビリルビンが増加するDubin-Johnson症候群(MRP2欠損が原因),Rotor症候群(OATP1B1とOATP1B3の同時欠損が原因)がある.
●ポルフィリンはヘムの生合成過程の中間代謝産物である.ポルフィリン代謝によって合成されたヘムはヘモグロビンなどのヘム蛋白に利用される.
●ポルフィリン代謝異常には先天異常(ポルフィリン症)と後天的障害(鉛中毒など)がある.これらの疾患ではポルフィリン代謝の中間代謝産物であるδアミノレブリン酸(δALA),ポルホビリノーゲン(PBG),各種ポルフィリン体が尿,血液,胆汁,糞便で増加する.
●ヘムを原材料として産生されたビリルビンの多くは,血中アルブミンなどに結合して存在し,類洞側肝細胞膜の輸送蛋白(OATP1B1/OATP1B3)によって取り込まれる.肝細胞でUGT1A1によって抱合反応を受ける.抱合ビリルビンは毛細胆管側肝細胞膜のトランスポーターであるMRP2によって胆管内腔へ排泄される.
●体質性黄疸には,高非抱合ビリルビン血症を起こすCrigler-Najjar症候群Ⅰ型・Ⅱ型,Gilbert症候群(これらはUGT1A1の異常が原因),抱合ビリルビンが増加するDubin-Johnson症候群(MRP2欠損が原因),Rotor症候群(OATP1B1とOATP1B3の同時欠損が原因)がある.
参考文献
1)近藤雅男:ポルフィリン-ヘム代謝異常 概論.別冊日本臨牀・新領域症候群シリーズNo.20 先天性代謝異常症候群(第2版)下 病因・病態研究,診断・治療の進歩,pp165-175,2012
2)近藤雅雄,矢野雄三,浦田郡平:日本の遺伝性ポルフィリン症 1920年(第1例報告)から91年間(2010年)の集計.ALA-Porphyr Sci 2:73-82,2012
3)Takeuchi K, Kobayashi Y, Tamaki S, et al:Genetic polymorphisms of bilirubin uridine diphosphate-glucuronosyltransferase gene in Japanese patients with Crigler-Najjar syndrome or Gilbert's syndrome as well as in healthy Japanese subjects. J Gastroenterol Hepatol 19:1023-1028,2004
4)上硲俊法:デュビン・ジョンソン(Dubin-Johnson)症候群.別冊日本臨牀・新領域症候群シリーズNo.20 先天性代謝異常症候群(第2版)下 病因・病態研究,診断・治療の進歩,pp348-352,2012
5)Kartenbeck J, Leuschner U, Mayer R, et al:Absence of the canalicular isoform of the MRP gene-encoded conjugate export pump from the hepatocytes in Dubin-Johnson syndrome. Hepatology 23:1061-1066,1996
6)小林由直:ローター症候群.別冊日本臨牀・新領域症候群シリーズNo.20 先天性代謝異常症候群(第2版)下 病因・病態研究,診断・治療の進歩,pp353-357,2012
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