icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査61巻8号

2017年08月発行

文献概要

今月の特集2 リンパ球の増減を正しく評価するために

反応性リンパ球増加症—鑑別と注意点

著者: 大倉貢1 小林美紀1 安福明子2

所属機関: 1川崎医科大学総合医療センター中央検査部 2川崎医科大学附属病院中央検査部

ページ範囲:P.952 - P.962

文献購入ページに移動
Point

●反応性リンパ球(異型リンパ球)は,非腫瘍性の細胞である.

●鑑別には適切に作製,染色された標本を用い,適切な部位で観察することが重要である.

●標本観察時には年齢,血算値や臨床情報に加えて,確認すべき検査項目がある.AST,ALT,LD,フェリチンなどの検査値は,症例(自験例)の半数以上で基準値から外れており,注目に値する.

●細胞崩壊像が多数みられた場合は,アルブミンを全血に10%の比率で添加して,塗抹標本を作製する.

●判定基準法の認知度が低く,普及率を上げる活動を行う必要がある.

参考文献

1)Downey H, Mckinlay CA:Acute lymphoadenosis compared with acute lymphatic leukemia. Arch Intern Med 32:82-112,1923
2)Wood TA, Frenkel EP:The atypical lymphocyte. Am J Med 42:923-936,1967
3)日本臨床衛生検査技師会血液形態検査標準化ワーキンググループ:血液形態検査に関する勧告法.医学検査 45:1659-1671,1996
4)坂場幸治,阿南健一,土屋達行,他:血液形態分野の標準化.日検血会誌 11:427-433,2010
5)Swerdlow SH, Campo E, Harris NL, et al:WHO Classification of Tumours of Haematopoietic and Lymphoid Ttissues, IARC Press, Lyon,2008
6)阿南健一:リンパ系細胞の見方 異型リンパ球と異常リンパ球の違い.検と技 44:1150-1156,2016
7)阿南健一,唐仁原彩瑛:血液細胞の形態観察法.エビデンス血液形態学(阿南健一,亀岡孝則,須田正洋監),近代出版,pp52-73,2014
8)三島誠司,児玉るみ,陶山多美子,他:血液形態標準化案の比較検証.日検血会誌 11:328-335,2010
9)藤原祝子,雨宮憲彦,丸茂美幸,他:リンパ球と異型リンパ球の鑑別における実態調査報告.日検血会誌 15:171-178,2014
10)島津浩,大田泰徳:EBウイルス関連の悪性リンパ腫.検と技 37:1268-1273,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?