icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査61巻9号

2017年09月発行

文献概要

今月の特集2 臨床検査技師のためのワクチン講座

ワクチンはなぜ効いて,なぜ効かないのか

著者: 中山哲夫1

所属機関: 1北里生命科学研究所

ページ範囲:P.1036 - P.1041

文献購入ページに移動
Point

●全ての有効なワクチンは自然免疫系を刺激してサイトカインを誘導することで細胞性免疫,抗体産生の獲得免疫を誘導する.

●自然免疫系には侵入した病原体の分子をパターン認識する病原体関連分子パターン(PAMPs)と,細胞にとって危険なシグナルを認識するダメージ関連分子パターン(DAMPs)が存在する.

●CD8細胞傷害性T細胞(CTL),CD4へルパーT細胞の誘導をインターフェロン(IFN)-α/βと炎症性サイトカインが調節し,産生されるサイトカインによって細胞の分化が調節されている.

参考文献

1)山内一也,三瀬勝利:ワクチン学,岩波書店,2014
2)中山哲夫:ワクチンと免疫応答.小児科臨床ピクシス 予防接種(五十嵐隆,渡辺博編),中山書店,pp16-21,2014
3)Leo O, Cunningham A, Stern PL:Vaccine immunology. In: Understanding Modern vaccines: perspectives in vaccinology, vol.1, Elsevier, Amsterdam,pp25-59,2011
4)Nakayama T:An inflammatory response is essential for the development of adaptive immunity-immunogenicity and immunotoxicity. Vaccine 34:5815-5818,2016
5)瀬谷司,押海裕之,松本美佐子:RNAウイルス感染の免疫生物応答 HCVを中心に.ウイルス 63:135-142,2013
6)Philbin VJ, Levy O:Developmental biology of the innate immune response: implications for neonatal and infant vaccine development. Pediatr Res 65:98-105,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?