文献詳細
文献概要
今月の特集2 臨床検査技師のためのワクチン講座
B型肝炎とワクチンによる予防
著者: 中野貴司1
所属機関: 1川崎医科大学小児科学
ページ範囲:P.1066 - P.1070
文献購入ページに移動Point
●B型肝炎ウイルス(HBV)の感染による病態は,急性感染,持続感染,再活性化に大別される.それぞれに,劇症肝炎,肝硬変,肝癌,de novo肝炎など重篤な疾患がある.
●わが国におけるB型肝炎ワクチンの公的な制度による接種は,以前は母子感染予防のみであったが,2016年10月から全ての0歳児を対象とした定期接種が開始された.
●定期接種対象以外の者も,B型肝炎に対する予防を心掛けることが望ましく,医療関係者ではその優先度が極めて高い.
●B型肝炎ウイルス(HBV)の感染による病態は,急性感染,持続感染,再活性化に大別される.それぞれに,劇症肝炎,肝硬変,肝癌,de novo肝炎など重篤な疾患がある.
●わが国におけるB型肝炎ワクチンの公的な制度による接種は,以前は母子感染予防のみであったが,2016年10月から全ての0歳児を対象とした定期接種が開始された.
●定期接種対象以外の者も,B型肝炎に対する予防を心掛けることが望ましく,医療関係者ではその優先度が極めて高い.
参考文献
1)国立感染症研究所:B型肝炎に関するファクトシート(平成22年7月7日版),2010
2)予防接種部会ワクチン評価に関する小委員会B型肝炎ワクチン作業チーム:B型肝炎ワクチン作業チーム報告書
3)坪内博仁,桶谷真,井戸章雄,他:劇症肝炎及び遅発性肝不全の全国集計(2007年).厚生労働省科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究」平成20年度研究報告書,pp83-93,2008
4)World Health Organization, Department of Communicable Disease Surveillance and Response: Hepatitis B (WHO/CDS/CSR/LYO/2002.2), 2002
5)坪内博仁,熊田博光,清澤研道,他:免疫抑制・化学療法により発症するB型肝炎対策 厚生労働省「難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究」班劇症肝炎分科会および「肝硬変を含めたウイルス性肝疾患の治療の標準化に関する研究」班合同報告.肝臓 50:38-42,2009
6)佐賀県健康増進課:保育所におけるB型肝炎集団発生調査報告書について,2004(http://www.kansen.pref.saga.jp/kisya/kisya/hb/houkoku160805.htm)
7)乾あやの,小松陽樹,菅原秀典,他:B型肝炎の家族内感染例.IASR 31:21-22,2010
8)藤澤知雄:わが国のB型肝炎予防体制の現状と課題.医のあゆみ 244:105-111,2013
9)乾あやの,小松陽樹,岩澤堅太郎,他:B型肝炎ワクチン 定期接種化へ向けて.小児診療 79:517-521,2016
10)厚生労働省:第12回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会資料(2015年1月9日),2015(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000070705.html)
11)日本環境感染学会ワクチンに関するガイドライン改訂委員会:医療関係者のためのワクチンガイドライン 第2版.日環境感染会誌 29(Suppl.Ⅲ):S1-S14,2014(http://www.kankyokansen.org/modules/news/index.php?content_id=106)(最終アクセス:2017年7月19日)
掲載誌情報