文献詳細
文献概要
今月の特集1 知っておきたい感染症関連診療ガイドラインのエッセンス
細菌性髄膜炎診療ガイドライン—小児領域
著者: 齋藤昭彦1
所属機関: 1新潟大学大学院医歯学総合研究科小児科学分野
ページ範囲:P.40 - P.43
文献購入ページに移動Point
●小児の細菌性髄膜炎は,予後が悪く,死亡率の高い疾患である.したがって,早期診断と早期治療が最も重要である.
●乳幼児期のインフルエンザ菌b型(ヒブ)と肺炎球菌結合型ワクチンの普及によって,細菌性髄膜炎の患者数は減少している.
●細菌性髄膜炎に対する抗菌薬の初期治療は,児の年齢から想定される起因微生物に効果のある薬剤を髄膜炎に適した高用量で使用する.
●髄液,血液培養の結果から,起因菌とその薬剤感受性がわかったときは,できるだけ信頼のおける,かつ狭域の抗菌薬にde-escalationし,決められた治療期間を完遂する.
●「細菌性髄膜炎診療ガイドライン2014」は,国内で唯一の小児の細菌性髄膜炎に対するガイドラインであるが,海外のガイドラインと比べ,推奨薬剤の違いなどがあり,今後の検討が必要である.
●小児の細菌性髄膜炎は,予後が悪く,死亡率の高い疾患である.したがって,早期診断と早期治療が最も重要である.
●乳幼児期のインフルエンザ菌b型(ヒブ)と肺炎球菌結合型ワクチンの普及によって,細菌性髄膜炎の患者数は減少している.
●細菌性髄膜炎に対する抗菌薬の初期治療は,児の年齢から想定される起因微生物に効果のある薬剤を髄膜炎に適した高用量で使用する.
●髄液,血液培養の結果から,起因菌とその薬剤感受性がわかったときは,できるだけ信頼のおける,かつ狭域の抗菌薬にde-escalationし,決められた治療期間を完遂する.
●「細菌性髄膜炎診療ガイドライン2014」は,国内で唯一の小児の細菌性髄膜炎に対するガイドラインであるが,海外のガイドラインと比べ,推奨薬剤の違いなどがあり,今後の検討が必要である.
参考文献
1)日本神経学会,日本神経治療学会,日本神経感染症学会(監修),「細菌性髄膜炎診療ガイドライン2014」作成委員会(編):細菌性髄膜炎診療ガイドライン2014,南江堂,2014
2)Suga S, Chang B, Asada K, et al:Nationwide population-based surveillance of invasive pneumococcal disease in Japanese children: Effects of the seven-valent pneumococcal conjugate vaccine. Vaccine 33:6054-6060,2015
3)Mann K, Jackson MA:Meningitis. Pediatr Rev 29:417-429,2008; quiz 430
4)Kim KS:Acute bacterial meningitis in infants and children. Lancet Infect Dis 10:32-42,2010
5)Tunkel AR, Hartman BJ, Kaplan SL, et al:Practice guidelines for the management of bacterial meningitis. Clin Infect Dis 39:1267-1284,2004
6)Brouwer MC, McIntyre P, Prasad K, et al:Corticosteroids for acute bacterial meningitis. Cochrane Database Syst Rev 2015:CD004405,2015
7)Saitoh A, Okabe N:Recent progress and concerns regarding the Japanese immunization program: addressing the “vaccine gap”. Vaccine 32:4253-4258,2014
掲載誌情報