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今月の特集2 心腎連関を理解する
心臓と腎臓のクロストーク
著者: 熊倉慧1 伊藤貞嘉1
所属機関: 1東北大学大学院医学系研究科内科病態学講座腎・高血圧・内分泌科学分野
ページ範囲:P.58 - P.64
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●腎臓はネフロンという機能単位を片側に100万個もち,非常に合理的,巧妙に作られた構造をしている.これによって大量の血液を濾過し,さまざまな物質を再吸収して体液の恒常性を保っている.
●血圧は,脳・心臓・腎臓の3者がそれぞれさまざまな機構で制御しており,なかでも交感神経系,レニン・アンギオテンシン・アルドステロン(RAA)系による調節は非常に重要である.
●脳・心臓・腎臓は低酸素,低血圧でも機能を維持するためにstrain vesselと呼ぶ低還流に耐えうる血管構造をもつが,高血圧下では障害されやすく,その障害は微量アルブミン尿として表現される.微量アルブミン尿が存在している場合は,無症候でありながら,脳や心臓の血管にも障害が発生している可能性がある.
●腎障害の存在は心血管障害を起こしやすく,さらに心血管障害が進行すると腎障害をより悪化させる.このようにして心臓・腎臓は病態形成に相互に関連している.
●腎臓はネフロンという機能単位を片側に100万個もち,非常に合理的,巧妙に作られた構造をしている.これによって大量の血液を濾過し,さまざまな物質を再吸収して体液の恒常性を保っている.
●血圧は,脳・心臓・腎臓の3者がそれぞれさまざまな機構で制御しており,なかでも交感神経系,レニン・アンギオテンシン・アルドステロン(RAA)系による調節は非常に重要である.
●脳・心臓・腎臓は低酸素,低血圧でも機能を維持するためにstrain vesselと呼ぶ低還流に耐えうる血管構造をもつが,高血圧下では障害されやすく,その障害は微量アルブミン尿として表現される.微量アルブミン尿が存在している場合は,無症候でありながら,脳や心臓の血管にも障害が発生している可能性がある.
●腎障害の存在は心血管障害を起こしやすく,さらに心血管障害が進行すると腎障害をより悪化させる.このようにして心臓・腎臓は病態形成に相互に関連している.
参考文献
1)Itoh S, Carretero OA, Murray RD:Renin release from isolated afferent arterioles. Kidney Int 27:762-767,1985
2)Esler M:The sympathetic system and hypertension. Am J Hypertens 13(6 Pt 2):99S-105S,2000
3)Guyenet PG:The sympathetic control of blood pressure. Nat Rev Neurosci 7:335-346,2006
4)Mascolo A, Sessa M, Scavone C, et al:New and old roles of the peripheral and brain renin-angiotensin-aldosterone system (RAAS): Focus on cardiovascular and neurological diseases. Int J Cardiol 227:734-742,2017
5)Peart WS:Renin-angiotensin system. N Engl J Med 292:302-306,1975
6)Ito S, Nagasawa T, Abe M, et al:Strain vessel hypothesis: a viewpoint for linkage of albuminuria and cerebro-cardiovascular risk. Hypertens Res 32:115-121,2009
7)Kaysen GA, Eiserich JP:The role of oxidative stress-altered lipoprotein structure and function and microinflammation on cardiovascular risk in patients with minor renal dysfunction. J Am Soc Nephrol 15:538-548,2004
8)Converse RL Jr, Jacobsen TN, Toto RD, et al:Sympathetic overactivity in patients with chronic renal failure. N Engl J Med 327:1912-1918,1992
9)伊藤貞嘉:腎と高血圧—腎内血行動態.病態高血圧学(阿部圭志,伊藤貞嘉編),メディカルレビュー社,pp25-40,1998
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