臨床検査62巻1号

2018年01月発行

Crosstalk 地域医療×臨床検査・1【新連載】

地域医療と臨床検査の交点

著者： 小谷和彦¹²

所属機関： ¹自治医科大学地域医療学センター地域医療学部門 ²自治医科大学医学部臨床検査医学講座

ページ範囲：P.94 - P.94

　昨今，“地域医療”が話題になっている．この話題性の背景には，わが国での少子・超高齢社会の進展に対応した地域医療の整備が喫緊の課題となっていることがある．地域医療とは，地域社会の構成員とともに総合して創り上げるケアである^1）が，この意味が，まさに全国津々浦々の“地域”で問われはじめている．

　これに即して，地域の実情に合わせた医療体制創りの一環で，‘地域’医療構想（医療圏内で医療機能を分化および連携して整備する構想）や‘地域’包括ケア（住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けられるような住まい・医療・介護・予防・生活支援を一体的に提供する仕組みや活動）なるものが登場してきた．さらに，医療崩壊，医師不足，医師偏在のような話題も，地域医療の課題として報道されることがあり，“地域医療”は必然的に注目される時世である．

参考文献

1）小谷和彦：地域医療の定義．看実践の科学　28：38-39，2003

2）河合忠：JACLaP NEWS No.49 ＆ No.50，日本臨床検査専門医会，1999

3）河野幹彦，久保信彦，谷口信行，他：追加発現：へき地診療における臨床検査の実施状況．臨病理　51：375-379，2003