文献詳細
増刊号 感染症関連国際ガイドライン—近年のまとめ
2章 臨床感染症に関するガイドライン 真菌症
アスペルギルス症(2016年,IDSA)
著者: 阿部雅広12
所属機関: 1東北大学大学院感染制御・検査診断学分野 2国立感染症研究所真菌部
ページ範囲:P.1282 - P.1287
文献概要
●侵襲性アスペルギルス症(IA)の診断は,適切な検体の培養検査・細胞診に加え,血清・気管支肺胞洗浄液(BAL)のガラクトマンナン(GM)抗原,血清β-D-グルカン(BDG)などの診断マーカーおよびCT検査などの画像検査から総合的に判断する.
●IA症治療の第一選択薬はボリコナゾール(VRC)である.
●重症IAでは抗真菌薬併用療法を考慮することが推奨されているが,前向き試験の報告は現時点では限定的である.
●長期間の好中球減少など,IAの高リスク群での予防ではポサコナゾール(POS),VRC,ミカファンギン(MFG)が推奨される.
●肺外アスペルギルス症の治療では,抗真菌薬投与に加え,局所療法や手術など,部位に応じた対応が必要となる.
参考文献
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