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文献詳細

雑誌文献

臨床検査62巻10号

2018年10月発行

文献概要

増刊号 感染症関連国際ガイドライン—近年のまとめ 4章 感染予防・制御に関するガイドライン

多剤耐性菌(2014年,ESCMID)

著者: 佐々木秀悟1

所属機関: 1埼玉医科大学病院総合診療内科

ページ範囲:P.1382 - P.1388

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POINT

●入院中の成人患者における,多剤耐性グラム陰性桿菌に対する感染予防策に関するガイドラインである.直接患者と接する医療従事者のほかに,医療施設の管理者や公衆衛生分野に携わる専門家なども対象としている.

●感染予防策の具体的な手法として,手指衛生,接触感染対策,積極的監視培養,環境清掃,抗菌薬適正使用,除菌および消毒薬による洗浄,社会インフラおよび教育を取り上げており,それぞれにおいてエビデンスの評価および推奨を行っている.

●エビデンスレベルや推奨度は菌の種類,耐性機序,多剤耐性グラム陰性桿菌の検出状況(エピデミックおよびエンデミック)により項目を分けて記載している.

●エビデンスレベルと推奨度が必ずしも一致していないが,その理由として,ランダム化比較試験などの一般的にエビデンスレベルが高いとされる研究を行うことが困難な分野であること,これまでに多剤耐性グラム陰性桿菌に着目した感染予防策に関する研究があまり行われてこなかったことなどを考慮すべきである.

参考文献

1)Tacconelli E, Cataldo MA, Dancer SJ, et al:ESCMID guidelines for the management of the infection control measures to reduce transmission of multidrug-resistant Gram-negative bacteria in hospitalized patients. Clin Microbiol Infect 20 (Suppl 1):1-55,2014
・厚生労働省:グラム陰性桿菌による院内感染症の防止のための留意点—マニュアル作成の手引き(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/i-anzen/hourei/dl/090123-2.pdf)(最終アクセス:2018年5月20日)
・日本環境感染学会多剤耐性菌感染制御委員会:多剤耐性グラム陰性菌感染制御のためのポジションペーパー 第2版.日環境感染会誌 32(Suppl.Ⅲ):S1-26,2017
・國島広之:多剤耐性グラム陰性桿菌感染症.日内会誌 102:2839-2845,2013
・松本哲哉:多剤耐性グラム陰性桿菌感染症.臨検 58:499-504,2014
・石井良和:最近話題の耐性菌 今どうなっているの? 多剤耐性グラム陰性桿菌 カルバペネム耐性腸内細菌科細菌,多剤耐性緑膿菌,多剤耐性アシネトバクター属菌,基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ産生菌.診断と治療 104:713-720,2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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