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文献詳細

雑誌文献

臨床検査62巻11号

2018年11月発行

文献概要

研究

骨粗鬆症と亜鉛の関連性

著者: 赤塚貴紀1 小谷野直人1 平井明生12 小杉雅英3 佐々木伸3

所属機関: 1総合病院厚生中央病院中央検査科 2総合病院厚生中央病院循環器内科 3総合病院厚生中央病院整形外科

ページ範囲:P.1529 - P.1534

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Summary

 高齢化社会において,骨粗鬆症患者はさらに増加すると考えられる.亜鉛欠乏は味覚障害や皮膚炎の原因となるが,最近の研究ではAlzheimer病やうつ病などの発症との関連性が指摘されている.亜鉛はいまだ研究途上であるため,われわれは骨粗鬆症と亜鉛をテーマとした.総合病院厚生中央病院(以下,当院)整形外科患者を対象とし,正常群,骨粗鬆症群で比較した結果,骨粗鬆症群のほうが亜鉛の値が有意差に低値であった.本研究では,亜鉛とアルブミン,骨型ALPなど他の項目との相関性も検証した.骨型ALPは骨粗鬆症の重要なマーカーであるが,男性の骨粗鬆症例での検討が先行研究にはほとんどなく,本研究では男女別の検討も行った.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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