文献詳細
文献概要
Crosstalk 地域医療×臨床検査・11【最終回】
地域医療と臨床検査の交点—その展開
著者: 小谷和彦12
所属機関: 1自治医科大学地域医療学センター地域医療学部門 2自治医科大学医学部臨床検査医学講座
ページ範囲:P.1599 - P.1599
文献購入ページに移動(狭義の)地域医療の実践は,“総合医”の診療にしばしば準えられる.特に地域の最前線での総合診療を特徴づけるエッセンスは,連載のなかに随所に表現されていた.複数の疾患をもつ高齢者に対する診断の話(第3,5,7話)にみる“幅広く,包括的”な診療や,検査結果に患者さんの人生を投影した話(第9話)にみる“患者中心で全人的”な診療は特徴的である.一見単調にみえる慢性疾患の管理のなかで,微かな病状の変化を解き明かした検査の話(第6話)にあるような“継続的”な診療もその特徴である.これとは逆に,疾患の超急性期の段階で複数の検査を駆使して診断した話(第4話)にあるような“ファーストタッチ(近い関係にある)”の診療も,特徴の1つである.検査の特性をよく理解して,短期に繰り返して経時変化を追うのは,プライマリ・ケアならではである.使える環境にあるなら臨床検査を迷わず行い,その値をもって判断するのは是なのである.
参考文献
掲載誌情報